・弓張ノ月 内容(「BOOK」データベースより)
天明四年(1784)弥生24日未明、麹町の佐野善左衛門邸を見張る霧子は、屋敷内の不穏な気配に胸騒ぎを覚えていた。意を決し邸内に潜入した霧子は、佐野善左衛門が松平定信に借り受けた刀を携え登城することを耳にする。小梅村に舞い戻った霧子から報告を受けた坂崎磐音は、急遽、奏者番速水左近への書状を認め、霧子に託すが・・・。超人気書き下ろし長編時代小説第46弾。
・失意ノ方 内容(「BOOK」データベースより)
江戸城中を揺るがした佐野善左衛門の刀傷騒ぎのあと、尚武館から姿を消した松浦弥助は、自らが手にかけた薮之助の遺髪を懐に忍ばせ、伊賀泉下寺を目指していた。一方江戸では、坂崎磐音が月に一度の墓参のため忍ヶ岡の寒松院を訪れていた。その帰路、竹屋ノ渡し場に立った磐音は、向こう岸から近付く乗合船に思わぬ人物の姿を認め・・・。超人気書き下ろし長編時代小説第47弾。
・白鶴ノ紅 内容(「BOOK」データベースより)
城中で十代家治の御不例が囁かれ、水面下で十一代就位への準備が進められる中、雨上がりの小梅村には嫡男空也に稽古をつける坂崎磐音の姿があった。その日の夕暮れ、尚武館の住み込み門弟の一人が突如行方をくらます。翌日内藤新宿に姿を現したその門弟は食売旅篭の店先に立っていた。一方、八月朔日、金龍山浅草寺の門前に新たな紅屋が店開きし・・・。超人気書き下ろし長編時代小説第48弾。
・意次ノ妄 内容(「BOOK」データベースより)
天明8年7月、小梅村では坂崎磐音の嫡男空也が木刀を手に、独り黙々と稽古に励む日々が続いていた。そんな折り、尚武館道場を訪れた速水左近の口から思いもよらぬことを告げられた盤音は、その知らせに驚愕し言葉を失う。やがてその磐音のもとに、小梅村から姿を消していた弥助から文が届き・・・。超人気書き下ろし長編時代小説第49弾。
来年の50巻・51巻での完結に向けて、ようやく追い付いた。
アマゾンの書評を見てるとグダグダ文句を言いながら読んでる人、気にらないにも関わらず最後まで読むと意地をはってる方、結構いますね。
そこまで嫌なら読む必要ないと思うけどなぁ。
史実通りに、田沼意次の息子・意知が江戸城内で暗殺され、田沼意次も失脚。その遠景・背景に磐音とその仲間を上手に絡めたのは見事。
だが、意次によって辛酸を舐めさせられたことを思えば(徳川家基の死から磐音の養父にして尚武館先代道場主・玲圓夫妻の殉死は読んでいて、本当に哀しく辛かった)、最後に意次が失脚・病死というのは史実とはいえ、拍子抜けしてしまう。
でも、史実に文句を言ったところで、しゃあない。
利次郎、辰平の結婚は喜ばしいが、結婚したと思ったら、そこで数年飛んで2人が仕官し、住込門弟から藩邸住みに変わったのには驚いた(笑)。
磐音の若き日の婚約者・奈緒が紆余曲折を経て、家族あるいは妹のような存在として、磐音ファミリーに加わったのも、長年の読者としては嬉しい。
田沼が遺した最後にして最強の刺客7人が弱いという声もあるが、そんなことはない。霧子も利次郎も優れた武者なのだから。
磐音の長子・空也もただの少年ではない。天才と努力の人である。そして、実力では自分より強いはずの刺客にいかにして勝つことができたのか、ちゃんと修行の中に伏線がある。
犬が刺客を倒してもいいじゃないか(笑)。
ただ、田丸輝信と竹村早苗の急接近は唐突かな(笑)。
大団円を愉しみにしてる。
〔評価〕★★★☆☆
次は『密室蒐集家』(大山誠一郎/文春文庫)
posted by ふくちゃん at 19:54|
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