2014年06月30日

ムカシ×ムカシ




・内容(「BOOK」データベースより)
「やっぱり、河童の祟りですか?」大正期、女流作家の百目一葉を世に出した旧家・百目鬼家。当主の悦造・多喜夫妻が、広大な敷地に建つ屋敷で刺殺された。遺された美術品の鑑定と所蔵品リストの作成依頼がSYアート&リサーチに持ち込まれる。河童が出るという言い伝えがある井戸から、新たな死体が発見され、事件は、異様な連続殺人の様相を呈し始めるのだった。百目鬼一族を襲う悲劇の辿りつく先は?


 あまりに刊行間隔が長いので(なんせ前作は6年前だ)、ここまでのストーリーやら設定やらを忘れてしまう。

 それでも読んでいるうちにぼんやり思い出してくるのだが、心許ない。

 今回は(今回も?)全然ミステリっぽくない。名推理もないし、トリックもないし。

 だが、犯人がなぜ殺人を犯したのか、その理由が明らかになったときの苦みが何とも言えない。後味は良くないのだが。そこが良い。

 最後の方で「そうか、椙田の正体って、あのシリーズのあの人か!気づいた!」と思ったのだが、過去のブログを確認したら、2007年の第1作を読んだときに同じことを書いてあった(笑)。

〔評価〕★★★☆☆


 次は『ラバー・ソウル』(井上夢人・著/講談社文庫)。
posted by ふくちゃん at 20:47| Comment(0) | TrackBack(0) | ミステリ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月16日

居眠り磐音 江戸双紙 秋思ノ人/春霞ノ乱

 


・秋思ノ人 内容(「BOOK」データベースより)
初冬の陽射しが山の端を照らす頃、甲府勤番支配職を解かれた速水左近は、3人の供を従え一路江戸に向かっていた。一方、田沼一派の動向を知った坂崎磐音は、速水一行の帰路を案じつつ夜明けの甲州道中を急いでいたが・・・。春風駘蕩の如き磐音が許せぬ悪を討つ、超人気書き下ろし長編時代小説第39弾。

・春霞ノ乱 内容(「BOOK」データベースより)
柔らかな陽射しが船着場を照らし小梅村が春の気配に包まれる頃、豊後関前藩の留守居役兼用人に就いた中居半蔵より呼び出しを受けた坂崎磐音は、義弟の遼次郎と霧子を伴い佃島へと向かっていた。折りしも関前藩の新造帆船が佃島沖に到着し、荷下ろしを行っていたが・・・。春風駘蕩の如き磐音が許せぬ悪を討つ、超人気書き下ろし長編時代小説第40弾。


 久しぶりの居眠り磐音。

 居眠り紋蔵と居眠り繋がりだ。
 
 居眠りという枕詞は、紋蔵の場合は本当に居眠りするからだが、磐音の場合は“日なたで居眠りする猫のような”一見鋭さを見せない剣風に由来する。

 この前38巻を読んだのはいつだったか・・・と自分のブログを検索したら、2年前の4月だった。東京に異動してからまったく読んでいなかったことになる。

 しかし、久しぶりに読んだせいか、非常に新鮮に感じた。

 磐音が江戸に戻ったことで、妻おこんの父・金兵衛や今津屋の面々、武左衛門、奉行所の与力・笹塚や同心・木下、船頭の小吉、三味線づくりの職人・鶴吉、吉原会所の四郎兵衛、絵師・北尾重政など懐かしい人たちが色々登場して磐音と絡む。

 久々に登場する人がいると、過去のエピソードを復習してくれるので、読みやすい。

 ただ、磐音との絡みがあっさりで残念・・・。

 39巻では田沼に左遷されていた速水左近も江戸に帰還。

 40巻では、遂に磐音一派による田沼への反攻が始まる!・・・と思いきや、磐音の故郷、かつて所属していた豊後関前藩に再び巣食う悪党退治へ。この話は41巻に続くようだ。で、しかもそこに田沼の陰謀も絡んでいるかも・・・。さすがに、それはやり過ぎじゃ・・・?後出し伏線だよ。

 一介の素浪人だった頃とは、まったく違う作品になってしまったが、まあ、こんなに続けてきた以上、仕方がない。

 それでも、ここしばらくの重たい展開を考えると、金兵衛、武左衛門、笹塚、そして門弟のひとり利次郎などの存在がコメディ・リリーフ的な存在で、多少の軽みをもたらしてくれる。

 予定通り(?)50巻で終わるのなら、田沼を倒すところがクライマックスになるのだろうが、できればその後に、昔のようなほのぼの平穏な話も書いてほしい。

〔評価〕★★★★☆


 次は、『ムカシ×ムカシ』(森博嗣・著/講談社ノベルス)。
posted by ふくちゃん at 19:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 歴史・時代小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月13日

魔物が棲む町 物書同心居眠り紋蔵




・内容(「BOOK」データベースより)
高輪・如来寺に赴任した快鴬は、門前町人たちに地代を課そうとしたが、彼らがいっこうに払わないので公儀に訴えた。ごく簡単な訴訟だったはずなのに、背後に拝領地の売買という、奉行所が裁決を避けてきた容易ならぬ問題が。訴訟を取り下げさせるという厄介事が紋蔵に降りかかる表題作。人気捕物帖第10弾。


 本来なら先日読んだ『ちよの負けん気、実の父親』よりこちらを先に読むべきだったのに・・・。この第10作を未読であることを忘れたまま、第11作である『ちよの負けん気・・・』を読んだときには、ちよや金右衛門が登場した経緯などが全く分からず、楽しめなかったのだ。

 しかし、これを読んでなんとなく思い出した。やはりシリーズ物は順番に読まないと。

 紋蔵が上役に無理難題を仰せつかる展開じゃないと、面白くない。そういう意味では、今作品も満足。

 居眠りという病(ナルコレプシー)を抱えるため、花の三廻りではなく、内勤の物書同心に留まり続ける紋蔵だが、実は洞察力も交渉力もあるし、現実と理想のバランスを計ることもできる。

 だから、上役も大っぴらにできない難題ほど、紋蔵に頼るのだ。

 そして半分は嫌々ながらも断りきれず、事に当たり、骨を折り、知恵を出し、丸く収める。颯爽とはしていないが、格好良い。

〔評価〕★★★★☆


 次は、『居眠り磐音 江戸双紙 秋思ノ人/春霞ノ乱』(佐伯泰英・著/双葉文庫)。
posted by ふくちゃん at 22:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 歴史・時代小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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