・内容(「BOOK」データベースより)
『食は、人の天なり』−医師・源斉の言葉に触れ、料理人として自らの行く末に決意を固めた澪。どのような料理人を目指し、どんな料理を作り続けることを願うのか。澪の心星は、揺らぐことなく頭上に瞬いていた。その一方で、吉原のあさひ太夫こと幼馴染みの野江の身請けについて懊悩する日々。四千両を捻出し、野江を身請けすることは叶うのか!?厚い雲を抜け、仰ぎ見る蒼天の美しさとは!?「みをつくし料理帖」シリーズ、堂々の完結。
ついに最終巻。前巻を読んだときには、あと1巻でどう決着をつけるつもりだ?と思ったものだが、見事に着地した。
出来過ぎ一歩手前だが、シリーズ・ファンとしては納得。Amazonのカスタマーレビューで本日現在43件すべて5つ星はダテではない。
野江の身請けに必要な大金4千両をわずかな期間でどう稼ぐのか。想像もつかなかったが、こんな方法とは・・・。でも、これ以外にはない。
遠くに行ってしまった小松原、ずっと見守っていてくれた源斉。2人との結末も清々しい。
シリーズの途中には又次の死など哀しい出来事もあったけど、いろんな人たちが収まるべきところに収まるハッピーエンドの大団円。
巻末付録の料理番付(いつ頃の設定だろう?)も心憎い(天満一兆庵が復活している!)。
いつになるかは分からないが、登場人物のその後を描く特別巻も構想してくれているらしい。気長に待ちたい。
〔評価〕★★★★★
次は『真夜中の探偵』(有栖川有栖・著/講談社文庫)。