2015年04月30日

フロム・ミー・トゥ・ユー 東京バンドワゴン




・内容(「BOOK」データベースより)
今から30年前、突然、我南人が「この子ぉ、僕の子供なんだぁ」と生まれたての青をつれて帰ってきた − (「紺に交われば青くなる」)。20歳の亜美が旅先の函館で置き引きに遭う。たまたま同じボストンバックを持っていた紺にいきなりの跳び蹴り。それが二人の出逢いだった(「愛の花咲くこともある」)など、「東京バンドワゴン」シリーズの知られざる過去のエピソードが明かされる全11編。


 今作は番外編。というか外伝というか。

 本編より前の、本編では描かれていない、大家族とその周囲のレギュラー・キャラクター達のエピソード。

 こういうの、シリーズのファンとしては嬉しい。

 でも、短編の名手とは呼べないかなぁ・・・。

〔評価〕★★★☆☆


 次は、『一路(上・下)』(浅田次郎・著/中公文庫)。
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2015年04月27日

徳の政治/ダントン派の処刑 小説フランス革命16/17




・「徳の政治」内容(「BOOK」データベースより)
公安委員会に加入したロベスピエールは、共和国フランスを幸福に導くには徳が必要であり、徳を実行するためには恐怖が不可欠であるとして、いっそう強力に恐怖政治を推し進めていた。一方、激しい政争の末、劣勢に追い込まれたエベール派は、公安委員会を倒すべく蜂起を企てるが、あえなく失敗。行く手には革命広場の断頭台が―。革命は理想郷を実現できるのか。苛烈さを増す、第16巻。第68回毎日出版文化賞特別賞受賞。

・「ダントン派の処刑」内容(「BOOK」データベースより)
ジャコバン派の独裁を完成させるべく、エベール派を処刑したロベスピエールは、革命当初からの盟友・デムーランやダントンらをも断頭台へ送ろうとする。デムーランの妻リュシルは、逮捕された夫を救おうとロベスピエールに哀訴するが、彼の口から思いもかけない激しい言葉が吐き出され―。共に理想を追い闘ってきた男たちの道は、どこで分かたれてしまったのか。非情なる別れ、慟哭の第17巻。第68回毎日出版文化賞特別賞受賞。


 「徳、それなにしでは恐怖は有害です。恐怖、それなしでは徳は無力です。恐怖というのは、迅速かつ厳格、そして臨機応変な正義にほかなりません」

 ロベスピエールが語る、「恐怖政治」の要諦である。

 それなりに納得できないでもない。

 少なくとも、ただただ人々を弾圧することが目的ではない。

 だが、結果的には同じようなものだから、間違っていたのだろう。ただし、後出しでそう言うのは簡単である。

 ジロンド派を排除し、庶民に人気の高かったエベール派(左派)を処刑し、若い頃から革命を共にした親友であったダントンとデムーランのダントン派(右派)までも処刑し、愛する人さえも断頭台に送りながら、実質的に国の首班となる。

 てっきり、ロベスピエールは権力という魔物に憑りつかれ、嬉々として独裁者に上り詰めたのかと思っていたら、実に人間臭く惑い、悩みながら、それでも良かれと思い進んでいくのだった。

 ダントンが最後まで案じていたように、私もロベスピエールを憐れみながら読んだ。時代の必然だったといえば陳腐だが、個人ではどうにもできない歴史のうねりというものは確かにあるのだろう。

 どんなに崇高な思いがあっても、できればそんなものには巻き込まれたくない。

 全18巻、まもなく終焉。

〔評価〕★★★★☆


 次は、『フロム・ミー・トゥー・ユー 東京バンドワゴン』(小路幸也・著/集英社文庫)。
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2015年04月14日

石の繭/蟻の階段/水晶の鼓動 警視庁殺人分析班




・石の繭 内容(「BOOK」データベースより)
モルタルで石像のごとく固められた変死体が発見された。翌朝、愛宕署特捜本部に入った犯人からの電話。なぜか交渉相手に選ばれたのは、新人刑事の如月塔子だった。自らヒントを提示しながら頭脳戦を仕掛ける知能犯。そして警察を愚弄するかのように第二の事件が − 緻密な推理と捜査の迫力が光る傑作警察小説。

・蟻の階段 内容(「BOOK」データベースより)
頭蓋骨に白い花、掛け時計にスープ皿 − テーブルの上の惨殺遺体を囲むように置かれた謎めいた品々。絵画を模したような現場を作り、さらに「過去の亡霊」を名乗って警察OBの自宅に電話をかけてきた犯人。自らの存在をアピールしたいのか。如月塔子ら殺人分析班が鋭い推理で明かす、歪んだホシの正体とは。

・水晶の鼓動 内容(「BOOK」データベースより)
殺人現場は、スプレー塗料で赤く染められた寝室だった。如月塔子が猟奇的な事件の遺留品捜査を始めた矢先、東京各所で連続爆破事件が起きる。多くの捜査人員がテロ対策に割かれ、殺人事件を担当する塔子ら特捜本部は動揺を隠せない。殺人犯はどこまで計画していたのか − まさか。緊迫の骨太捜査ミステリ!


 麻見和史氏、初読み。鮎川哲也賞作家による「本格ミステリ+警察小説」シリーズ。現在、単行本で6作、文庫で3冊刊行されているが、文庫版を一気読みした。

 なぜか単行本では「殺人分析班」シリーズではなく、「警視庁捜査一課十一係」シリーズという通しタイトルである。

 主人公は新人女性刑事だが、スーパーヒロインではないところが良い。

 シリーズが進むうちに、自称・殺人分析班、正式名称・捜査一課第十一係の先輩達や、その上司や幹部達のいろんな顔を見えてくる展開も良い。

 魅力的な殺人現場も良い。

 警察小説といえば、組織と個人の相克を描くものが多いが、このシリーズでは地道な遺留品捜査や聞き込みと推理によって、特異な殺人現場に残された謎を解き、歪んだ哲学や顕示欲を持った犯人にたどり着くところに特徴がある。

 まあ、個人的には、もう少し本格ミステリ寄りでも良いとも思うのだが・・・。

 1作目は途中でコイツが犯人かな・・・と分かってしまったが(ということは多くの読者がそうだろう)、その後の展開には虚を衝かれた。

 派手さはないが、なかなかいいシリーズ。良い意味でTVドラマ向きの作品だと思う。

〔評価〕★★★★☆


 次は、『徳の政治 小説フランス革命16』(佐藤賢一・著/集英社文庫)。
posted by ふくちゃん at 21:59| Comment(0) | TrackBack(0) | ミステリ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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