2010年07月11日

映画篇


映画篇
著者名:金城一紀(著)
出版社:集英社
出版年:2010.06
ISBN :9784087465877


 小説のタイトルが『映画篇』とあるように、収録された5つの作品のタイトルが『太陽がいっぱい』、『ドラゴン怒りの鉄拳』、『恋のためらい/フランキーとジョニー もしくは トゥルー・ロマンス』、『ペイルライダー』、『愛の泉』であるように、映画をモチーフにした小説集。


・内容
映画の力で導かれた記憶の中の僕は、いつでも軽やかに笑い、素直に泣き、楽しそうに手を叩いていた―。不器用で孤独な人々が映画をきっかけにつながり合い、力強い再生へと踏み出していく姿をみずみずしく描きながら、映画への愛と物語の復権を高らかに謳った傑作小説集。友情、正義、ロマンス、復讐、そして、笑いと感動。5つの物語の力が、あなたを救う。
(「BOOK」データベースより)


 最初の『太陽がいっぱい』を読んだときは、正直「もうひとつかな・・・」と思った。悪くはないが、なんだか・・・。次の『ドラゴン怒りの鉄拳』も。

 だが、読み進むに連れて、作品間の微妙なリンクが楽しくなってきた。ただ・・・。

 『恋のためらい〜』は感動的だが、いささかロマンチシズムに流れすぎ。

 『ペイルライダー』は面白いが、非現実的な話に思える。

 とこのように、一篇一篇は手放しで絶賛できない。

 しかし、これが最後の『愛の泉』を読むと、そこまでの4篇も含めて、全てが大好きになった。各作品の中に登場する、公民館での『ローマの休日』上映会。どのような経緯でその上映会が開かれたのか、読者はここで知ることになる。

 そして・・・あと内緒。

 例えば、お互いに記憶に残らないであろう、言葉を交わすこともないであろう、街ですれ違うだけの人達。でも、当たり前だけど、その人達にも人生があって、大切な人がいて・・・。なんだか、見知らぬ人達のことさえ、愛おしくなる小説集。


 次は、『正義のミカタ I'm a loser』(本多孝好・著/集英社文庫)。


posted by ふくちゃん at 19:28| Comment(0) | TrackBack(0) | ファンタジー・幻想文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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