2010年11月22日

秋の牢獄




 表題作は、いわゆる「リプレイ」もの。


・内容(「BOOK」データベースより)
11月7日水曜日。女子大生の藍は秋のその1日を何度も繰り返している。何をしても、どこに行っても、朝になれば全てがリセットされ、再び11月7日が始まる。悪夢のような日々の中、藍は自分と同じ「リプレイヤー」の隆一に出会うが・・・。世界は確実に変質した。この繰り返しに終わりは来るのか。表題作他2編を収録。名作『夜市』の著者が新たに紡ぐ、圧倒的に美しく切なく恐ろしい物語。


 ケン・グリムウッド氏の本家『リプレイ』や、北村薫氏『ターン』のようなSFでもなく、乾くるみ氏『リピート』のようなミステリでもない。

 なぜリプレイするのか?

 少しずつ消えて行くリプレイヤーたちは、11月8日に進んだのか」、それともリプレイヤーだけに見える、白い異形の者=“北風伯爵”に殺されたのか?

 結局、何も明かされずに終わるが、「11月7日」という時間の牢獄に閉じ込められた、リプレイの回数もリプレイ時の状況も異なる、リプレイヤーたちの行動や思考の移り変わりが面白い。

 残りの2編『神家没落』と『幻は夜に成長する』だが、前者は好みでない。後者は実に妖しげで、これは好きだ。


 次は、『支那そば館の謎 裏京都ミステリー』(北森鴻・著/光文社文庫)。


posted by ふくちゃん at 19:41| Comment(0) | TrackBack(0) | ファンタジー・幻想文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。