・内容(「BOOK」データベースより)
道に迷った漁夫が行き着いたのは、戦乱を逃れた民の子孫が王朝の変遷も知らず平和に暮らしているユートピアだった − 陶淵明『桃花源記』を思わせるのどかな村にやってきた、陶華ら旅の一行。ところが、落ち着く間もなく大騒動に巻き込まれ、下手人扱いの憂き目に遭う。道すがら連れになった一癖も二癖もある顔ぶれを見ればそれもやむなしかと、凡人の陶華は溜息をつくが・・・。
『もろこし銀侠伝』、『もろこし紅游録』に続く、もろこしシリーズ第3弾。中国武侠小説、水滸伝、ミステリ(トリック)を融合した稀有なシリーズの初長編である。
この人、もっと評価されてイイ(すなわち、もっと売れてもイイ)と思うのだが。
国に帰る道中で偶然出会った数名の男女(少女を含む)と主人公が迷い込んだ村。外界から隔絶した美しい小さな村で起こる連続殺人事件。その真相と村人達、旅の連れ合い達の意外すぎる正体。
シリーズ最高作。
〔評価〕★★★★☆
次は、『あした咲く蕾』(朱川湊人・著/文春文庫)。