・内容(「BOOK」データベースより)
美しい容姿からは想像もつかないほどガサツな叔母の意外な秘密についての表題作、雨の日だけ他人の心の声が聞こえる少女を描く「雨つぶ通信」、西日暮里の奇妙な中華料理屋を巡る奇譚「カンカン軒怪異譚」など、『花まんま』『かたみ歌』の著者が、昭和の東京下町を舞台に紡ぐ「赦し」と「再生」の7つの物語。
昭和40年代を舞台にした作品が並ぶ、いつもながらの朱川ワールドである。若干苦い後味の『湯呑の月』を除き、どれもハッピーエンドで安心して読める。もちろん『湯呑の月』も悪くない。
どの作品も良いが、表題作の『あした咲く蕾』がベスト。
泣ける。
泣けるから良い作品というわけではないが、この作品には優しさが溢れている。
〔評価〕★★★★★
次は、『午後からはワニ日和』(似鳥鶏・著/文春文庫)。
ラベル:朱川湊人
【関連する記事】