2012年04月08日

王の逃亡 小説フランス革命7




・内容(「BOOK」データベースより)
王家に味方してきたミラボーが病死し、議会工作の術を失った国王ルイ16世。王族の亡命に神経を尖らせるパリの民衆に、別荘行きを力尽くで阻止され、にわかにパリ脱出を決意する。スウェーデン貴族フェルセンの協力で、王妃マリー・アントワネットと幼い王子、王女とともに、真夜中のテュイルリ宮から抜け出すが、逃亡計画は次第にほころびはじめ − 。国王一家の運命や、いかに。緊迫の第7巻。


 物語の第7巻にして初めて、国王ルイ16世の視点で描かれた巻。

 ルイ16世といえば、僕にとっては人が良いだけの愚鈍な王、というイメージである。

 革命の主導者のひとりであると同時に、王室の権威維持にも心を砕いたミラボーとの秘密裡の会見も、王妃アントワネットに任せており、第6巻まではその肉声が聞こえてくることはなかった。

 ルイ16世の革命・国民議会・平民に対する皮肉めいた呟きが面白い。彼の立場からすれば、このようにボヤキたくもなるだろうが、単なるボヤキではなく意外に的を射ている気がする。

 革命騒ぎの愚かさに愛想を尽かしたルイ16世は、自ら主導して周到な国外亡命計画を立案し、実行に移す。一連のルイ16世の行動とその裏にある思考が、著者の創作によるものか、巻末に記された膨大な参考文献を狩猟した結果の、限りなく真実に近いものかは、分からない。

 しかし、『ベルばら』しか知らない僕のルイ16世像を塗り替えるものであり、非常に興味深い。

〔評価〕★★★★☆


 次は、『六つの手掛り』(乾くるみ・著/双葉文庫)。


posted by ふくちゃん at 20:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 歴史・時代小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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