2012年07月16日

ふたりの距離の概算




・内容(「BOOK」データベースより)
春を迎え高校2年生となった奉太郎たちの“古典部”に新入生・大日向友子が仮入部する。千反田えるたちともすぐに馴染んだ大日向だが、ある日、謎の言葉を残し、入部はしないと告げる。部室での千反田との会話が原因のようだが、奉太郎は納得できない。あいつは他人を傷つけるような性格ではない − 。奉太郎は、入部締め切り日に開催されたマラソン大会を走りながら、心変わりの真相を推理する!“古典部”シリーズ第5弾。


 第1作『氷菓』がアニメ化された古典部シリーズ。今書店にある文庫本の第1作〜第4作は、アニメバージョンの表紙だ。第5作もあの表紙だと買いづらいなぁ・・・と思っていたら、通常版とアニメ版のリバーシブル・カバーであった。良かった。

 地味な「日常の謎」+「安楽椅子探偵」+「青春小説」である本シリーズだが、今作は一層その特徴が際立っていた。

 この作品単体でも読みは成立するが、僕としては必ずシリーズ1作目から全部読むことをお勧めする。でないと、この作品を本当には楽しめない。“事件”や“明るい青春”や“謎解きのカタルシス”を楽しむシリーズではない。もっと繊細でビターな作風である。

 学校行事の20km走を走る間に、関係者に話を聞き、過去の経緯をつぶさに思いだし、謎を解くという設定は斬新。数々の小さな伏線の張り方と回収が見事で、何度も前に戻って叙述を確認しながら読んだ。

 今回、奉太郎は大日向の千反田に対する誤解を解き、千反田の心を救った(そこまでは描かれていないが)のだが、大日向を救うには至っていない。今後、そういう展開もあるものと期待する。

〔評価〕★★★☆☆


 次は、『贖罪』(湊かなえ・著/双葉文庫)。


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posted by ふくちゃん at 17:40| Comment(0) | TrackBack(0) | ミステリ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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