2012年11月16日

午前零時のサンドリヨン




・内容紹介
ポチこと須川くんが、高校入学後に一目惚れしたクラスメイトの女の子。他人を寄せ付けない雰囲気を纏っている酉乃初は、実は凄腕のマジシャンだった。放課後にレストラン・バー『サンドリヨン』でマジックの腕を磨く彼女は、学校で起こった不思議な事件を、抜群のマジックテクニックを駆使して鮮やかに解決してみせる。それなのに、なぜか人間関係には臆病で、心を閉ざしがちな酉乃。はたして、須川くんは酉乃との距離を縮めることができるのか − 。学園生活をセンシティブな筆致で活き活きと描いた、“ボーイ・ミーツ・ガール”ミステリ!
(裏表紙より)


 第19回鮎川哲也賞受賞作。 僕の大好きなミステリ・ジャンル=「日常の謎+学園モノ」である。

 最初の3篇は独立したミステリとしてそれぞれ完結しているが、最後の1篇によって全4篇が1つの長篇としての姿を表す連作ミステリ。著者が影響を受けた(と解説に書いてあった)加納朋子『ななつのこ』と同じ構成だ。

 読み始めは、酉乃初(とりの・はつ)はツンデレ・・・と思ったら、意外にそうでもない。人とつながりたいと思いながら、人とつながることに臆病な彼女とつながりたいと願う須川君の気持ちは届くのか。甘酸っぱい、ラブコメ模様。著者はロマンチストなのかな。あまりのロマンチシズムに、読みながら少々気恥ずかしかった(汗)。悪口ではない。こういうの、嫌いじゃないから(笑)。須川君、いい奴だなぁ〜。

 米澤穂信氏の「古典部」シリーズや「小市民」シリーズに通ずるビター・テイストも若干ある。

 普段は周囲に溶け込まず、無関心・無感動を装いながら、マジックを演じるときだけは人が変わったようになる初。その初のマジックによる癒しを拒否し、初を手厳しく批判した飯倉さん(占いが得意)。同じように孤独な彼女と初が再び向き合うことはあるのだろうか。かつては親友だったのに、今では犬猿の仲(と一口では言えない複雑な事情あり)の美少女・八反丸さんとも。

 難を言えば、マジックを文章で表現することが難しく、読んだだけでは何が行われているか、もうひとつよく分からないところ。まあ、YouTubeで確認して解決したけど。

 ともあれ、続編の文庫化が楽しみだ。

〔評価〕★★★★☆


 次は、『虚像の道化師 ガリレオ7』(東野圭吾・著/文藝春秋)。


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posted by ふくちゃん at 19:54| Comment(0) | TrackBack(0) | ミステリ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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