2013年02月04日

初陣 隠蔽捜査3.5




・内容(「BOOK」データベースより)
警視庁刑事部長を務めるキャリア、伊丹俊太郎。彼が壁にぶつかったとき頼りにするのは、幼なじみで同期の竜崎伸也だ。原理原則を貫く男が愛想なく告げる一言が、いつも伊丹を救ってくれる。ある日、誤認逮捕が起きたという報に接した伊丹は、困難な状況を打開するため、大森署署長の竜崎に意見を求める(「冤罪」)。『隠蔽捜査』シリーズをさらに深く味わえる、スピン・オフ短篇集。


 『隠蔽捜査』シリーズは、建前も本音もなく、合理的で正しいことを貫くキャリア警察官僚・竜崎伸也の言動が、なんとも心地よいカタルシスをもたらす。

 一方で、たてまえと本音を使い分けることを処世術とする、一般的な組織人を代表するのが、竜崎の幼馴染みでやはりキャリアの伊丹である。

 警視庁の刑事部長を務めるぐらいだから、凡庸ではないわけだが、竜崎の個性の前にはやや影が薄い。そんな彼を主人公にしたスピン・オフ短篇集は、本シリーズに負けず劣らず、面白かった。

 伊丹の行動原理は、竜崎の批判に晒されるが、そこには伊丹なりの思慮や信念があり、組織人としては共感せざるを得ない。伊丹が内心では「竜崎にはかなわない」と思いつつも、それを口に出さない気持ちもよく分かる。

 伊丹が判断と行動に迷うとき、竜崎を頼りたくなる気持もよく分かる。2人の遣り取りには実におかしみがある。

 まったく得難い警察小説だ。

〔評価〕★★★★★


 次は、『写楽 閉じた国の幻(上・下)』(島田荘司・著/新潮文庫)。


posted by ふくちゃん at 22:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 警察小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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