2013年03月29日

楊令伝 十四 星歳の章




・内容(「BOOK」データベースより)
梁山泊軍を出奔した李英の行方を追って、姉の李媛も姿を消した。侯真は致死軍を率いて、2人の捜索に向かう。だが、開封府で扈成と面会した李英は斉の将軍となり、岳家軍との戦に出陣した。一方、楊令らは、赫元の尋問によって、南宋皇太子出生の秘密を知る。やがて中原一帯には自由市場が立ち、梁山泊が支配する物流の勢いは、ついに南宋にまで広がろうとしていた。楊令伝、怒涛の第14巻。


 面白い。十分に面白い。

 それでも、梁山泊、金、南宋。楊令をはじめとする梁山泊の英傑の面々、金国の軍人達、南宋・青蓮寺の李冨、岳飛、張俊・・・描くべき対象が広がり過ぎ、特に人物描写の密度が『水滸伝』に比べると落ちていると感じる。もともと主人公であるはずの楊令には際立った魅力を感じないのだが、例えば史進にも『水滸伝』で放っていた輝きがない。

 『楊令伝』では個々の人物やそのエピソードよりも、国のありよう、国と国の生存競争そのものにスポットが当てられているように思う。それはそれで興味深い点もあるのだが、人物描写が水際立っていた『水滸伝』に比べると、どうも熱い思い入れが湧いてこないのだ。

 古くからの登場人物の死もあまりに唐突過ぎる。

 今回の巻では、久々に国と国の存亡をかけた梁山泊と南宋の戦があり、さすがに読ませるのだが、やはり童貫率いる宋禁軍と梁山泊軍の激突の興奮には勝てない。

 北方氏の筆力は凄いが、それでも物語のスケールが大きすぎたかも知れない。

〔評価〕★★★☆☆


 次は、『RDG5 レッドデータガール 学園の一番長い日』(荻原規子・著/角川文庫)。


posted by ふくちゃん at 16:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 歴史・時代小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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