2013年05月01日

ヴォイド・シェイパ The Void Shaper




内容(「BOOK」データベースより)
人は無だ。なにもかもない。ないものばかりが、自分を取り囲む − ある静かな朝、師から譲り受けた一振りの刀を背に、彼は山を下りた。世間を知らず、過去を持たぬ若き侍・ゼンは、問いかけ、思索し、そして剣を抜く。「強くなりたい」・・・ただそれだけのために。


なんと森博嗣氏による時代小説である。シリーズ物らしく、単行本の第3弾発売に合わせて第1弾を文庫化したようだ。

主人公は若き侍・ゼン。物心がつく前から山に独りで住む剣の達人カシュウの下に預けられ、最後の弟子として育てられたのだが、カシュウの死と共に、その遺言に従い山を降りて旅に出る。

ゼンとかカシュウとか、ゼンによる一人称の物語において、登場人物は全員カタカナ表記である。これはゼンに漢字の概念が無いからだろうが、静謐な文体、ゼンの哲学的あるいは禅的思索と相俟って、今まで読んできたどの時代小説とも隔絶した独特の雰囲気を醸し出している。

ゼンの出自には謎がありそうだが、今後それがストーリーに大きく影響してくるのかどうかは全く分からず、また他にミステリアスな要素は皆無。

一応、戦うシーンはあるが、この著者らしく詩的でクールな描写であり、血沸き肉躍る展開ではない。

ヤマなし、オチなしといった感じなので、退屈する人もいるだろうが、私には心地よい。

〔評価〕★★★☆☆


次は『白雨 慶次郎縁側日記』(北原亜以子・著/新潮文庫)。


posted by ふくちゃん at 18:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 歴史・時代小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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