2013年05月12日

昨日まで不思議の校舎




・内容(「BOOK」データベースより)
超自然現象研究会が配布した“エリア51”の「市立七不思議」特集が影響を与えたのだろうか?突如休み時間に流れた、七不思議のひとつ「カシマレイコ」を呼び出す放送。そんな生徒はもちろん存在しない。さらに「口裂け女」「一階トイレの花子さん」の悪戯まで見つかった。なぜこの3つなのだろう・・・。調査を進めた葉山君は、ある真実に気づく。ますます快調な、シリーズ第5弾。


 タイトルといい、作品中の文章といい、あとがきといい、この著者の言葉のセンス、遊び心が結構好きだ。

 そんな著者が考えたとは到底思えなかった「にわか高校生探偵団の事件簿」というシリーズ名称だが、どうも著者自身は「市立高校シリーズ」と呼んでいるらしい。シンプルでいい。今後は僕もそう呼ぼう。

 で、今作。

 市立高校に伝わる怪奇現象“七不思議”の中でも最も歴史の古い“市立三怪”。その三怪に見立てた3つの事件が起こる。事件現場の不可能状況は魅力的で、高校OBの名探偵・伊神さんの推理も切れ味鋭いが、真相は小粒で“幽霊の正体見たり枯れ尾花”。

 だが、3つの事件を起こしたそれぞれの人間の独白の章には不気味さが残る。超自然現象研究会が配布した会報『エリア51』の“市立三怪”の記事に彼等の意識を引き付けたのは・・・、“今ならできるよ”と彼等に囁いたモノは・・・、何なのか?そこにあえて論理付けをしないで、放置したまま終わるので、不穏な空気が後を引く。普通なら“魔がさした”ということになるのだろうが、その程度の説明さえもない。

 “市立三怪”の発生源となった古い事件の真相と解決も、(おそらく意図的に)スッキリとしない描き方にしてある。

 コミカルな青春学園モノでありながら、それだけに終わらない独特の雰囲気が生まれていて、大変よい。

〔評価〕★★★★☆


 次は、『オブ・ラ・ディ オブ・ラ・ダ 東京バンドワゴン』(小路幸也・著/集英社文庫)。


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posted by ふくちゃん at 16:49| Comment(0) | TrackBack(0) | ミステリ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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