2013年06月20日

史記 武帝紀1




・内容紹介
匈奴の侵攻に脅かされた前漢の時代。武帝劉徹の寵愛を受ける衛子夫の弟・衛青は、大長公主(先帝の姉)の嫉妬により、屋敷に拉致され、拷問を受けていた。脱出の機会を窺っていた衛青は、仲間の助けを得て、巧みな作戦で80人の兵をかわし、その場を切り抜けるのだった。後日、屋敷からの脱出を帝に認められた衛青は、軍人として生きる道を与えられる。奴僕として生きてきた男に訪れた千載一遇の機会。匈奴との熾烈な戦いを宿命づけられた男は、時代に新たな風を起こす。北方版『史記』、待望の文庫化。
(裏表紙より)


 新たなる(と言っても単行本は7巻で既に完結したようだが)北方謙三氏の中国歴史小説。それは司馬遷の『史記』の小説化である。

 司馬遷の『史記』といえば中国歴史小説を読む者(に限らないか)なら、知らない者はいない(だろう)。でも、自慢じゃないが、原典(の現代日本語訳)は読んだことない。

 『史記』が編年体ではなく、紀伝体で書かれていることぐらいは承知している(浅いレベルで)。紀伝体とは、乱暴に言えば、出来事順に書かれた歴史(編年体)ではなく、主に人物ごとに書かれた歴史である(らしい)。

 北方『史記』は、武帝紀のみを描く。

 北方『三国志』『水滸伝』と同様、颯爽とした漢〔おとこ〕の物語である。ただ、武帝〔劉徹〕、衛青などごく一部の主要人物を除き、登場人物たちの描き込みは浅い。

 生い立ち、心のありよう、思想や理想。

 数多くの登場人物が名前を持った記号的存在としてではなく、血肉を持った存在として立ち上がってくるのが、北方中国歴史小説の魅力である。しかし、第1巻を読む限りではそういう要素は弱いようだ。

〔評価〕★★★☆☆


 次は、『七つの海を照らす星』(七河迦南・著/創元推理文庫)。


posted by ふくちゃん at 16:42| Comment(2) | TrackBack(0) | 歴史・時代小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ふくちゃんさん、こんにちは。
中国で小説の発達が遅れたのは史書の面白さに勝てなかったからだという説もありますが、史記の面白さは別格です。
項羽本紀なんて、原文で読んでもゾクゾクします。
北方さんもだからあえて、武帝本紀にしたのと思います。
司馬遷は武帝を悪くは書けないけど、良く書く理由はなかったからね。なんせ自分を宮刑にした相手を良くは書きたくないでしょう。
Posted by kinkacho at 2013年06月22日 17:55
>kinkachoさん。
史書、読んでるんですね。
素晴らしい。
北方史記、先日第2巻が出ましたが、読むかどうか思案中です。
Posted by ふくちゃん at 2013年06月24日 23:43
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。