2013年09月25日

開かせていただき光栄です −DILATED TO MEET YOU−




・内容紹介
18世紀ロンドン。外科医ダニエルの解剖教室からあるはずのない屍体が発見された。四肢を切断された少年と顔を潰された男。戸惑うダニエルと弟子たちに治安判事は捜査協力を要請する。だが背後には詩人志望の少年の辿った恐るべき運命が・・・。解剖学が最先端であり偏見にも晒された時代。そんな時代の落とし子たちが可笑しくも哀しい不可能犯罪に挑む、本格ミステリ大賞受賞作。前日譚を描く短篇「チャーリーの災難」と解剖ソングの楽譜を併録。


 皆川博子氏は初読み。以前から気になっていた作家であるが、ようやく手に取った。当作品の単行本刊行時(2011年)は80歳。今年も『海賊女王』を上梓。エネルギッシュだなぁ〜。

 なんとも言えない独特の雰囲気。日本の作家ではなく、海外作家の翻訳を読んでいるようだ。良い意味で。

 盲目の治安判事ジョン=フィールディング、その兄の先代判事ヘンリー=フィールディングは共に実在の人物。さらに前者は、海外のミステリ・シリーズで探偵役にもなっているらしい。今作でも鋭い推理を見せる。

 解剖学者(外科医)ダニエル=バートンの兄・ロバート=バートンも実在の人物で『憂鬱の解剖』という書物を出している。当作品では、外科医とは違い社会的地位の高い内科医(当時)であり、弟ダニエルの解剖学の成果を横取りしているという設定であるが・・・。

 虚実入り混じった設定だが、リアリティは申し分なし。それでいて耽美な感じもある。

 本格ミステリとしても精緻。ダニエル・バートンと愛しい弟子達の今後が気になるけど、続編はないのだろう。

 『死の泉』『薔薇密室』『総統の子ら』など、他の作品も読んでみたい。

〔評価〕★★★☆☆


 次は『パティシエの秘密推理 お召し上がりは容疑者から』(似鳥鶏・著/幻冬舎文庫)。


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posted by ふくちゃん at 22:27| Comment(0) | TrackBack(0) | ミステリ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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