2013年11月20日

人形遣いの影盗み




・内容(「BOOK」データベースより)
ある代議士夫人の影が盗まれた−。この不可思議な事件の謎を解いてほしいと養父母の頼みを断りきれず、高広は礼と調査を始める。事件には妖しい爪哇の魔術が絡み、さらに帝都を騒がす怪盗ロータスの気配が・・・。心優しき雑誌記者と超絶美形の天才絵師、ふたりの青年を中心に、明治の世に生きる人々の姿を描く“帝都探偵絵図”シリーズ第3弾。書き下ろしを含む6篇を収録。


 主人公2人の周囲の人物にスポットを当てた作品が中心となった第2作『世界記憶コンクール』とは違い、今作は第1作『人魚は空に還る』同様、高広(嫌々ながらホームズ役)と礼(おしかけワトソン)のコンビが中心の連作。

 冒頭の情景描写が美しい『びいどろ池の月』。

 ほのぼの笑える『恐怖の下宿屋』(大家・桃介氏のご飯が食べたい!)。

 素直な形では表現できない親愛の情が沁みる『永遠の休暇』と『美術祭異聞』。

 礼のホームズへの愛と高広との友情が美しい『妙なる調べ奏でよ』。

 そして、怪盗ロータスが再び登場する『人形遣いの影盗み』。

 短篇・中篇・超短篇を取り混ぜ、人と人が想いあう美しさ・哀しさを描きながら、異なるタッチの6つ物語を紡ぐ様は、早くも円熟の域か。

 トリックなどに驚きがあるわけではないが、佇まいが素敵なミステリである。

 第1作の文庫本が発売された当時、既にこの第3作まで単行本が出ていた。その後、ノンシリーズが3冊出ていて、その文庫化も楽しみだが、『帝都探偵絵図』の第4弾を早く出してほしい!

〔評価〕★★★★☆


 次は、『キウイγは時計仕掛け』(森博嗣・著/講談社ノベルス)。


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posted by ふくちゃん at 19:37| Comment(0) | TrackBack(0) | ミステリ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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