2014年01月15日

心に吹く風 髪結い伊三次捕物余話




・内容(「BOOK」データベースより)
一人息子の伊与太が、修業していた絵師の家から逃げ帰ってきた。しかし顔には大きな青痣がある。伊三次とお文が仔細を訊ねても、伊与太はだんまりを決め込むばかり。やがて奉行所で人相書きの仕事を始めるが・・・。親の心を知ってか知らずか、移ろう季節とともに揺り動く、若者の心。人生の転機は、いつもふいに訪れるもの。


 いい。

 たまらなく、いい。

 つい先日、タカトシが司会の泣ける話を集めたという番組をたまたま見た。なんじゃコレ?どこが泣ける話やねん!と1つめのエピソードでチャンネルを変えた。

 それに引き換え、今作はいろんなところで泣ける。お涙頂戴のあざとさは全くないのに(全くないからか)、自然な描写で紡がれる人の温かさ、さりげない優しさに、温かい涙がこぼれそうであった。

 新幹線の中で、何度もヤバイと思い、しばしページを閉じて、気分を切り替えて、涙を我慢(笑)。

 宇江佐氏は、まったく易々とこちらの心の柔らかい場所を突いてくる。まいったなぁ〜。

 しかし、最大の驚きは文庫版のあとがき。

 今は治療が成功して小康状態を保っているようだが、全身に癌が転移しているそうだ。まだ余命がどうなるか、分からない。癌でも長く生きる人はいるから。当然体力的には厳しく、デビュー作でもある伊三次シリーズ以外の仕事はセーブしているそうだ。北原亞以子氏が亡くなり『慶次郎縁側日記』シリーズももう読めない(まだ文庫になっていない作品は残っているが)今、伊三次シリーズには少しでも長く続いてほしいと願う。

〔評価〕★★★★★


 次は『おもいでエマノン』(梶原真治・著/徳間文庫)。


posted by ふくちゃん at 12:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 歴史・時代小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。