2014年02月11日

邪馬台 蓮丈那智フィールドファイルIV




・内容(「BOOK」データベースより)
明治時代に忽然と消失した村が残した奇妙な文書は、邪馬台国の真相へと至る秘録だった!異端の民俗学者・蓮丈那智の手に渡った「阿久仁村遺聞」。仲間たちとそこに隠された深い謎を追ってゆくうちに、数々のキーワードが浮かんできた。銅鏡、鬼、殺戮、たたら製鉄、出雲大社・・・。ミステリがすべて解かれたとき、現代まで秘められていた真の日本史が、あなたの眼前に現れる。


 連載中に著者の北森鴻氏が亡くなり、未完の絶筆となった氏の代表的シリーズを、婚約者で作家の浅野里沙子氏が書き継いで発刊。

 書き継いで・・・とは言っても、詳細なプロットや結末は北森氏の頭の中。わずかに残された構想メモなどを頼りに、担当編集者とともに亡くなるまでに掲載されていた部分を読み解き、北森氏の思考をトレースして完成させたという。

 相当に難しいことだろう。

 本当に北森氏が書こうとしていたものと一致しているかは、誰にもわからない。

 北森氏本人が最後まで書いていればシリーズ最高傑作となったのか、そうではなかったのか、読んでみてもよく分からない。

 ひとつには、フィールドワークなどで出かけた那智が旅先で殺人事件に遭遇し、類まれなる頭脳と論理と思考力と推理で真相を暴く。そこに民俗学が絡んでいるところに、このシリーズの独自性と新鮮さ、面白さがあったのだが、今回はそのパターンを踏襲していない。

 那智自身はほぼ動かないし、殺人事件は起こるが、主要なエピソードとはならない。

 邪馬台国、大和朝廷、古事記、日本書紀などを巡る考察は興味深く、特に邪馬台国はどこにあったのか、どんな国家だったのか、その結論には感心したが、物語の展開にはキレがないように思う。

 そして、バックボーンとなる話のスケールが大きすぎで、陰謀史観・トンデモ史観のようで現実感がない。

 とはいえ、もうこのシリーズもこれ以上は読めない。残念だ。

〔評価〕★★★☆☆


 次は『神様のカルテ3』(夏川草介・著/小学館文庫)。


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posted by ふくちゃん at 22:19| Comment(0) | TrackBack(0) | ミステリ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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