2014年02月26日

麒麟の翼




・内容(「BOOK」データベースより)
「私たち、お父さんのこと何も知らない」。胸を刺された男性が日本橋の上で息絶えた。瀕死の状態でそこまで移動した理由を探る加賀恭一郎は、被害者が「七福神巡り」をしていたことを突き止める。家族はその目的に心当たりがない。だが刑事の一言で、ある人物の心に変化が生まれる。父の命懸けの決意とは。


 加賀恭一郎シリーズの文庫最新作。映画やTVでは阿部寛氏が演じているので、頭の中では加賀=阿部になってしまいがちだが、元々の僕のイメージでは加賀はもう少しシャープでクールな顔立ち。その点、阿部ちゃんは、顔が濃い、

 それはともかく、加賀恭一郎シリーズは、本格ミステリから路線転換したのだろうか・・・。謎解きや意外な真相を楽しむミステリとしては、今作は物足りない。

 だが、犯罪者、被害者、遺族・・・事件に関わったすべての人間の心を救おうとする加賀の捜査や態度・言葉には心打たれるし、犯罪と人間を描いた物語として十分に読み応えがある。

 殺された夫が、会社から工員の労災をなかったことにするように指示した首謀者とされ、同情を集める側から批判を受ける側になってしまったことに悲嘆する妻にかけた加賀の言葉。

「労災隠しは犯罪です。良いことでは決してありません。恨まれることもあり得ます。しかし、殺されても仕方のない人間なんて、この世には一人もいません」

 殺人の容疑者と目されたまま、病院のベッドで意識を回復せぬまま死亡した男の子どもを宿す女性にかけた加賀の言葉。

「もし世の中を甘く見ているのなら安心だ。どこにも光がないと絶望しているほうが、余程心配です」

 いいセリフだ。

〔評価〕★★★★☆


 次は『生存者ゼロ』(安生正・著/宝島社文庫)。


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posted by ふくちゃん at 21:12| Comment(0) | TrackBack(0) | ミステリ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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