2014年05月14日

夜の写本師




・内容(「BOOK」データベースより)
右手に月石、左手に黒曜石、口のなかに真珠。3つの品をもって生まれてきたカリュドウ。呪われた大魔道師アンジストに目の前で育ての親を殺されたことで、彼の人生は一変する。宿敵を滅ぼすべく、カリュドウは魔法ならざる魔法を操る“夜の写本師”の修業をつむが・・・。日本ファンタジーの歴史を塗り替え、読書界にセンセーションをまき起こした著者のデビュー作、待望の文庫化。


 これもまた単行本刊行時から、気になっていた本。

 タイトルが良い。

 創元推理文庫レーベルではあるが、正統派の大人向けファンタジーである。

 舞台も登場人物も中世ヨーロッパを感じさせながら、登場する魔法の中には日本的な色合いを感じさせるものもあり、オリジナリティがある。

 魔法、歴史、輪廻・・・デビュー作とは思えないほど、物語世界の構築力が素晴らしい。

 他人の様々な魔術を喰らい、世界一の魔道師(魔術師)となった男に千年の時を超えて復讐すべく、生まれ変わりを繰り返し、闇のような孤独と共に魔道師にも劣らぬ魔法の力を文字に込めうる「夜の写本師」となったカリュドウ。

 欲を言えば、終盤、遂にアンジストとの対決に臨む彼に初めて出来た仲間とも言える写本師たちとの交流も読んでみたかったが・・・。特にヴェルネとはてっきり恋仲になるものと・・・。でも、そういう描写が多いと、物語の純度とスピードが落ちるかな。

 幕切れは爽やか。最後の最後でこんな赦しがあるとは・・・。復讐と憎悪の物語が鮮やかに反転する。

〔評価〕★★★★★


 次は、『タルト・タタンの夢』(近藤史恵・著/創元推理文庫)。


posted by ふくちゃん at 13:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ファンタジー・幻想文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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