2014年08月14日

闇の喇叭




・内容(「BOOK」データベースより)
私的探偵行為を禁止する法律が成立した平世21年の日本−。女子高校生の空閑純は、名探偵だった両親に育てられたが、母親はある事件を調査中、行方不明になる。母の故郷に父と移住し母の帰りを待つ純だったが、そこで発見された他殺死体が父娘を事件に巻き込む。探偵の存在意識を問う新シリーズ開幕!


「探偵ソラ」シリーズの第1作。元々10代の読者に向けて書かれた作品だそうで、ミステリとしては小粒だし、「闇の喇叭」というモチーフが理解できないが、青春小説として大人の鑑賞にも充分に耐える。


“召和(しょうわ)”20年、第二次世界大戦で広島・長崎そして“京都”に原爆を落とされ、沖縄はアメリカに、“北海道はソ連に占領”され、戦後は北海道がソ連の傀儡国家“日ノ本共和国”として独立、アメリカとは友好関係を築いたものの今では対立−そんな別の歴史を持つ日本。

犯罪の真相を暴くのは国家権力にのみ認められた行為であり、探偵業もまた犯罪行為とされ、全体主義の匂いが漂う“平世(へいせい)”の日本が舞台である。

推理小説を読むことは罪ではないが、推奨される行為ではない。

主人公・空閑純(そらしずじゅん)は、明晰な頭脳と合理的な思考力を持つ17歳の女子高生。かつて名探偵として活躍した過去を隠して(表面上は)穏やかに生きる父と共に、大阪から田舎町へ。

同じく名探偵だった母親は何かまずい事態になったらしく、父と純の安全のためにもしばらく連絡できないというメッセージを残して4年前から行方不明。

表向きは推理の才能を隠して普通に暮らす純。

しかし、町で不可思議な殺人事件が発生。母親を被疑者としてマークされた親友のために、純は父と協力して内密に調査と推理に乗り出すが・・・。

探偵行為が禁止された世界での探偵行為。不気味な中央警察(現実の日本の警察庁/警視庁ではない)の警視。大きな活劇は無いが、ドキドキハラハラである。

純に訪れる過酷な運命。

シリーズ作品ではなく、これ1作だ完結するつもりだったらしいが、著者も主人公の今後が気になってしかたがなかったらしい。

母親の件は全く謎のままだし、父親の今後も気になるし、何よりも空閑純は今までの平穏な生活を捨て、探偵として生き、いつか両親を取り戻す決意をしたところである。

ここで終わるなんて、考えられない。

ということで、当然のように続編が書かれたわけだが、第2弾は既に文庫化され、第3弾は9月にノベルス化されるらしい。

本当に純を愛し、理解しようとした数少ない大切な友達ともいつか再会してほしい。

〔評価〕★★★☆☆


次は『マスカレード・ホテル』(東野圭吾・著/集英社文庫)。


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posted by ふくちゃん at 15:32| Comment(0) | TrackBack(0) | ミステリ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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