2014年12月03日

最後のトリック




・内容(「BOOK」データベースより)
「読者が犯人」というミステリー界最後の不可能トリックのアイディアを、2億円で買ってほしい − スランプ中の作家のもとに、香坂誠一なる人物から届いた謎の手紙。不信感を拭えない作家に男は、これは「命と引き換えにしても惜しくない」ほどのものなのだと切々と訴えるのだが・・・ラストに驚愕必至!


 元々は『ウルチモ・トルッコ 犯人はあなただ!』というタイトルで2007年に刊行された講談社メフィスト賞作品。つまり、この著者のデビュー作だ。

 森博嗣氏も『すべてがFになる』でメフィスト賞を受賞してデビューした。というより、森氏をデビューさせるために作られた賞が、メフィスト賞であるらしい。

 『ウルチモ・トルッコ』とはイタリア語で「究極のトリック」だそうだ。それを全面改稿したのが、今回の文庫である。

 「究極のトリック」にして「最後のトリック」。

 それは、この作品を読むすべての読者が犯人というものである。ミステリ好きとしては興味津々。読みたくなる。実際、なかなか売れているらしい。

 発想は素晴らしい。

 一瞬、確かにこれなら犯人は読者である自分だと納得しそうになった。だが、著者(あるいは物語中の著者)が最後に取り上げたうえで退けたはずの疑問を拭い去れない。

 読者が犯人であるためには他の方法はないと思うが、本格ミステリのトリックにリアリティを求める向きとしては、肝心の殺人手法にやはり納得はできない。

 でも、意欲は買いたい。

〔評価〕★★★☆☆


 次は、『共和制の樹立 小説フランス革命12』(佐藤賢一・著/集英社文庫)。


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posted by ふくちゃん at 17:58| Comment(0) | TrackBack(0) | ミステリ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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