2014年12月18日

魔道師の月




・内容(「BOOK」データベースより)
こんなにも禍々しく怖ろしい太古の闇に、なぜ誰も気づかないのか。繁栄と平和を謳歌するコンスル帝国の皇帝のもとに、ある日献上された幸運のお守り“暗樹”。だがそれは次第に帝国の中枢を蝕みはじめる。闇をもたぬ稀有な魔道師レイサンダー、書物の魔道師キアルス。2人は人々を破滅に導く太古の闇を退けることができるのか。『夜の写本師』で読書界を瞠目させた著者の第2作。


 衝撃的なデビュー作『夜の写本師』に続く第2弾。

 時系列的には(一応)前作の主人公カリュドウの時代の遥か昔、約1,000年前である。

 今作の主人公の1人、キアルスは前作で登場したギデスディン魔法の創始者であり、文字や言葉、書物を依り代とするその魔法がどのように作られたのか、若かりし日の彼が描かれる。

 キアルスは400年前に遡り、<星読み>のテイバドールの人生を追体験し(というよりもテイバドールとして生き)、人として魔道師として一気に成長する。

 もう1人の主人公、大地の魔道師レイサンダーは、人類創世の昔より永らえ再び蘇った太古の闇、“暗樹”と遭遇し、恐怖と無力感から遁走。だが、テイバドールとして“暗樹”を封じたキアルスと出逢い、世界を救うために協力して立ち向かう。

 “暗樹”を絶滅することは不可能だが、数百年眠らせることは可能なのだ。

 “暗樹”が象徴する“闇”、魔道師が宿命的に抱える“闇”。全ての人間の血の中にも流れているという“闇”。ファンタジーではよく使われる題材だが、説得力を持って描かれている。

 本書は完全に独立した物語として読めるし、『夜の写本師』と合わせて読めば、さらに楽しめる(読む順番は関係なし)。

 初めて著者の世界に触れた『夜の写本師』に比べると、どうしても衝撃の度合いは下がってしまうが、それは私という読者の我儘かな。

 レイサンダーの子孫が登場する続編も出ているので、ますます楽しみだ。

〔評価〕★★★☆☆


 次は、『探偵の探偵』(松岡圭祐・著/講談社文庫)。


posted by ふくちゃん at 20:06| Comment(0) | TrackBack(0) | ファンタジー・幻想文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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