2015年02月01日

その女アレックス




・内容(「BOOK」データベースより)
おまえが死ぬのを見たい−男はそう言ってアレックスを監禁した。檻に幽閉され、衰弱した彼女は、死を目前に脱出を図るが…しかし、ここまでは序章にすぎない。孤独な女アレックスの壮絶なる秘密が明かされるや、物語は大逆転を繰り返し、最後に待ち受ける慟哭と驚愕へと突進するのだ。イギリス推理作家協会賞受賞作。


・宝島社「このミステリーがすごい!2015」海外部門第1位
・「週刊文春ミステリーベスト10」海外部門第1位
・ハヤカワ「ミステリが読みたい!」海外編第1位
・IN★POCKET「文庫翻訳ミステリー・ベスト10」第1位
・英国推理作家協会「インターナショナル・ダガー賞」
・フランス「リーヴル・ド・ポッシュ読書賞」

 「史上初の6冠」というウリで、ベストセラー。

 海外諸国におけるミステリ・ランキングではどんな結果だったのだろう。そもそも、海外でもそんなランキングがあるのだろうか。

 いずれにせよ凄まじい煽りに期待値が高くなりすぎたせいか、ややがっかり。

 一応、叙述トリックに分類しても良いのかもしれない。

 でも、狭義のミステリではなく、サスペンス。謎解きの興奮はない。

 確かに意外な展開であり、「こういうストーリーだったのか」という驚きはある。

 だが、気持ちよく騙された!という思いよりも、後出しジャンケンに遭遇したような気がして、しっくりこない。

 騙り方(語り方)がフェアではないように感じる。

 これまで読んできた日本の叙述トリック・ミステリの方が、よほど優れている。

 この作品の最大の衝撃は、アレックスの行いではなく、もうひとりの主人公ヴェルーヴェン警部と彼のチーム(上司ル・グエンと部下のルイ&アルマン)が最後に取った行動の方かも。

 彼らは真実よりも正義が大事だと言う。確かに、この事件に限ってはそういう判断もありかもしれない。アレックスの人生に同情するならば・・・。

 この結末に快哉を叫ぶ人もいれば、苦い後味に顔をしかめる人もいるだろう。

 僕は後者である。これじゃ、冤罪じゃないか。警察が積極的かつ意図的にこんなことしちゃダメ(笑)。

 本作は、ヴェルーヴェン警部シリーズの第2作にあたるらしい。第1作でヴェルーヴェンの妻は死んでおり、その事件が彼と彼のチームに暗い影を落としている。

 それも含めて、刑事たちのキャラクタと関係性が魅力的である。

 どうせなら、1作目から順に訳出してほしかった。

〔評価〕★★★☆☆


 次は『ロートケプシェン、こっちにおいで』(相沢沙呼・著/創元推理文庫)。


【関連する記事】
posted by ふくちゃん at 14:09| Comment(0) | TrackBack(0) | ミステリ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。