2015年02月28日

64(ロクヨン)

 


・内容(「BOOK」データベースより)
元刑事で一人娘が失踪中のD県警広報官・三上義信。記者クラブと匿名問題で揉める中、“昭和64年”に起きたD県警史上最悪の翔子ちゃん誘拐殺人事件への警察庁長官視察が決定する。だが被害者遺族からは拒絶され、刑事部からは猛反発をくらう。組織と個人の相克を息詰まる緊張感で描き、ミステリ界を席巻した著者の渾身作。

・内容(「BOOK」データベースより)
記者クラブとの軋轢、ロクヨンをめぐる刑事部と警務部の全面戦争。その狭間でD県警が抱える爆弾を突き止めた三上は、長官視察の本当の目的を知り、己の真を問われる。そして視察前日、最大の危機に瀕したD県警をさらに揺るがす事件が−。驚愕、怒涛の展開、感涙の結末。ミステリベスト二冠、一気読み必至の究極の警察小説。


 全く気づいてなかったが、『震度0』と次作に当たる本作の間には、7年もの時間が空いていたらしい。

 横山氏は、その間に体調を崩したり、平たく言えばスランプだったりしたようだ。

 相当の苦労があったと推察されるが、それが実った力作。

 下巻は途中から止まらなくなって、翌朝は仕事にも関わらず、朝3:00頃までほぼ読み切った・・・と言いたいところだが、最後は強烈な眠気に襲われて数ページだけ残して寝てしまった。

 だが、“一気読み必至”は伊達ではない。


 刑事として確かな実績も残してきた三上だが、意に添わぬ警務部広報室へ二度目の異動。いつかは刑事部に戻るという思いを胸に秘めつつも、開かれた広報室へと改革に動くが、失踪した自身の娘の捜索を依頼したがために、改革を快く思わぬ上層部に圧力に屈する。被疑者匿名事案で記者クラブとの関係はさらに険悪に。

 そこに降って湧いた警察庁長官の視察。目的は、わずかな日数で平成に取って代わられた昭和64年に発生したD県警最悪の未解決誘拐事件“64(ロクヨン)”の現場と遺族宅訪問、そしてぶらさがり取材。

 三上はその段取りを任されるが、遺族には拒否され、記者クラブは取材ボイコットを示唆。さらに、長官の視察とぶらさがり取材には、D県警刑事部を震撼させる裏の目的が・・・。

 刑事部と警務部の対立、その板挟みとなる三上。徐々に明らかになる、かつて自分も関わった64事件の真相。やがて、64事件を彷彿させる新たな誘拐事件が発生する。


 刑事を捨てられなかった三上が、広報官としての矜持を掴み取る姿には共感を覚える。組織においては、人はまずは与えられた場所で頑張るしかない。全てはそれからだ。

 気がかりは、失踪した三上の娘の安否と三上と妻との関係だが、あえて安易なハッピーエンドを描かずとも、ハッピーエンドの兆しがある。

〔評価〕★★★★☆


 次は『想像ラジオ』(いとうせいこう・著/河出文庫)。
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posted by ふくちゃん at 15:49| Comment(0) | TrackBack(1) | ミステリ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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『64』
Excerpt: 皆様、あけましておめでとうございます。 本年もよろしくお願いいたします。 横山秀夫 『64』(文藝春秋)、読了。 さて、年越しで読んだのはヒット中の本作。 古本一家において、珍しく..
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