2015年04月27日

徳の政治/ダントン派の処刑 小説フランス革命16/17




・「徳の政治」内容(「BOOK」データベースより)
公安委員会に加入したロベスピエールは、共和国フランスを幸福に導くには徳が必要であり、徳を実行するためには恐怖が不可欠であるとして、いっそう強力に恐怖政治を推し進めていた。一方、激しい政争の末、劣勢に追い込まれたエベール派は、公安委員会を倒すべく蜂起を企てるが、あえなく失敗。行く手には革命広場の断頭台が―。革命は理想郷を実現できるのか。苛烈さを増す、第16巻。第68回毎日出版文化賞特別賞受賞。

・「ダントン派の処刑」内容(「BOOK」データベースより)
ジャコバン派の独裁を完成させるべく、エベール派を処刑したロベスピエールは、革命当初からの盟友・デムーランやダントンらをも断頭台へ送ろうとする。デムーランの妻リュシルは、逮捕された夫を救おうとロベスピエールに哀訴するが、彼の口から思いもかけない激しい言葉が吐き出され―。共に理想を追い闘ってきた男たちの道は、どこで分かたれてしまったのか。非情なる別れ、慟哭の第17巻。第68回毎日出版文化賞特別賞受賞。


 「徳、それなにしでは恐怖は有害です。恐怖、それなしでは徳は無力です。恐怖というのは、迅速かつ厳格、そして臨機応変な正義にほかなりません」

 ロベスピエールが語る、「恐怖政治」の要諦である。

 それなりに納得できないでもない。

 少なくとも、ただただ人々を弾圧することが目的ではない。

 だが、結果的には同じようなものだから、間違っていたのだろう。ただし、後出しでそう言うのは簡単である。

 ジロンド派を排除し、庶民に人気の高かったエベール派(左派)を処刑し、若い頃から革命を共にした親友であったダントンとデムーランのダントン派(右派)までも処刑し、愛する人さえも断頭台に送りながら、実質的に国の首班となる。

 てっきり、ロベスピエールは権力という魔物に憑りつかれ、嬉々として独裁者に上り詰めたのかと思っていたら、実に人間臭く惑い、悩みながら、それでも良かれと思い進んでいくのだった。

 ダントンが最後まで案じていたように、私もロベスピエールを憐れみながら読んだ。時代の必然だったといえば陳腐だが、個人ではどうにもできない歴史のうねりというものは確かにあるのだろう。

 どんなに崇高な思いがあっても、できればそんなものには巻き込まれたくない。

 全18巻、まもなく終焉。

〔評価〕★★★★☆


 次は、『フロム・ミー・トゥー・ユー 東京バンドワゴン』(小路幸也・著/集英社文庫)。


posted by ふくちゃん at 22:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 歴史・時代小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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