・内容紹介(裏表紙より)
麻太郎の英国留学時代の友人・清野凛太郎が帰国し、「かわせみ」に姿を現わす。千春の琴の調べに惹かれ、二人は互いに思いを募らせていくが・・・。表題作ほか、「イギリスから来た娘」「麻太郎の友人」「松前屋の事件」など全7篇を収録。るいの娘・千春に本物の春が訪れる予感の[明治のかわせみ]第4弾!
明治編に入って最初の3冊は酷評したが、第4弾はかなりマシになっている。
東吾や源三郎がおらず、江戸編の多くの魅力的な登場人物もほとんど登場せず、情緒も抒情も物足りないが、こちらも新しいかわせみにも少しずつ慣れてきたのか。
年老いた東吾を描きたくないと平岩氏は言った。だから、そこをすっ飛ばし、東吾を行方不明にし、瓜二つの息子・麻太郎を新たな東吾としたのだ。
江戸末期のまま、時間を進めず永遠に若々しい東吾とるいを描き続けるという手もあったと思うが・・・。
でも、なんだかまあ良いか、と思えてきた。ここまで来たら、やっぱり東吾が復活〜という展開は絶対になしでお願いしたい。
〔評価〕★★★★☆
次は、『空蝉ノ念 居眠り磐音 江戸双紙45』(佐伯泰英・著/双葉文庫)。