2015年11月08日

みずは無間




・内容(「BOOK」データベースより)
無人宇宙探査機の人工知能には、科学者・雨野透の人格が転写されていた。夢とも記憶ともつかぬ透の意識に繰り返し現われるのは、地球に残した恋人みずはの姿。法事で帰省する透を責めるみずは、就活の失敗を正当化しようとするみずは、リバウンドを繰り返すみずは…無益で切実な回想とともに悠久の銀河を彷徨う透がみずはから逃れるため取った選択とは?選考委員満場一致の、第1回ハヤカワSFコンテスト大賞受賞作。


 主人公は一流ではない普通の科学者・雨野透のAI人格。

 特別なミッションもなく、彼のAI人格を載せた無人探査機は宇宙を漂う。地球に残してきた恋人みずはのことを思い出しながら・・・。

 このみずはがなかなかウザい、というか、重い。雨野にべったり依存している。彼女の中に巣くう、深い飢餓感・・・。

 AI雨野は彼女のことをできるだけ思い出さないようにしているが、それでも彼女の言葉、表情がふと蘇る。

 地球と通信もできず、退屈を紛らわせるため、みずはを思い出さないため、疑似生命体づくりに熱中し、やがてDと名付けた彼らを宇宙にリリースする。

 その次は、自分をコピーして分割し、宇宙にばらまく。

 AI雨野のこの行為が物語を展開するキーになる。

 様々な形態・イデオロギーを持つ、様々な分派に成長したDとの邂逅。これがなかなか哲学的で読ませる上、意外にもスペクタクル。

 地球にいる本物の雨野、みずはの運命は・・・?

 哀しい衝撃が訪れる。

 ただ、ラストはちょっと不満が残るな〜。とはいえ、他に処理の仕方が無いかも。

〔評価〕★★★☆☆


 次は、『弓張ノ月 居眠り磐音 江戸双紙 46』(佐伯泰英・著/双葉文庫)。
posted by ふくちゃん at 14:46| Comment(0) | TrackBack(0) | SF | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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