2011年05月05日

恋文の技術



 関西屈指の2大男性妄想作家の片割れ(って、別にコンビではないが)、森見登美彦氏による書簡体小説。


・内容(「BOOK」データベースより)
京都の大学院から、遠く離れた実験所に飛ばされた男が1人。無聊を慰めるべく、文通修業と称して京都に住むかつての仲間たちに手紙を書きまくる。文中で友人の恋の相談に乗り、妹に説教を垂れるが、本当に想いを届けたい相手への手紙は、いつまでも書けずにいるのだった。


 最後は「え!これで終わるの?」という感じ。ようやく書き上がった恋文が、主人公・守田一郎とその想い人・伊吹さんに、どういう結末をもたらすのか、そこも読みたかった。

 それでも、読んでいる間はとにかく可笑しい。爆笑ではなく、クスクス笑いが続く。はっきり言って、大したストーリーも無いのに、こんなに読ませるなんて、芸達者。

〔評価〕★★★☆☆


 次は、『香菜里屋を知っていますか』(北森鴻・著/講談社文庫)。
posted by ふくちゃん at 22:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 恋愛小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年09月07日

阪急電車


阪急電車
著者名:有川浩(著)
出版社:幻冬舎
出版年:2010.08
ISBN :9784344415133


 しばらく不具合でログインできなかったので、読み終えた本がたまってしまった。頭の中からストーリーが抜け落ちてゆく・・・。


・内容(「BOOK」データベースより)
隣に座った女性は、よく行く図書館で見かけるあの人だった…。片道わずか15分のローカル線で起きる小さな奇跡の数々。乗り合わせただけの乗客の人生が少しずつ交差し、やがて希望の物語が紡がれる。恋の始まり、別れの兆し、途中下車−人数分のドラマを乗せた電車はどこまでもは続かない線路を走っていく。ほっこり胸キュンの傑作長篇小説。


 自分が住んでいる街の、時々利用する路線(阪急今津線)が舞台になるってのは、なんだか嬉しい。近所の本屋では著者のサイン色紙と共に大量に平積みされていた。

 僕が実際に降りたことがある駅は、8駅中4駅。うち1駅は自分の家の最寄り駅だから、実質3駅だけだし、終点の西宮北口駅以外は数回しか降りたことがない。

 でも、これを読んじゃうと、他の駅でも降りたくなるな。特に小林駅。他の駅より街の描写が具体的で、「いい街」と呼ばれ、著者に贔屓されている気が・・・(笑)。有川氏は、ひょっとしてココに住んでるのかな?

 互いに見知らぬ老若男女の人生が、偶然の導きによって、少しずつ折り重なっていく様は、各駅停車の連作スタイルとマッチして、気持ちよく軽やかに、楽しく読める。

 出来すぎ・・・という感も、無きにしもあらず、だが。


 次は、『有頂天家族』(森見登美彦・著/幻冬舎文庫)。
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2010年07月04日

マルドゥック・スクランブル


マルドゥック・スクランブル
著者名:冲方丁(著)
出版社:早川書房
出版年:2003.05
ISBN :9784150307219



マルドゥック・スクランブル
著者名:冲方丁(著)
出版社:早川書房
出版年:2003.06
ISBN :9784150307264



マルドゥック・スクランブル
著者名:冲方丁(著)
出版社:早川書房
出版年:2003.07
ISBN :9784150307301


 初の時代小説『天地明察』で今年の本屋大賞を取ったSF作家の冲方丁(うぶかた・とう)氏。その初期の人気シリーズ全3巻。第24回日本SF大賞作品だが、SFファンはともかく、一般文芸ファンにはそれほど知られた作家ではないだろう。僕も自分がSFを読むようになるまで、最近のSF作家なんて、ほとんど知らなかった。ベテランの眉村卓、筒井康隆、平井和正、小松左京・・・とかは子供ときにいくつか読んで知ってたけど。


・『圧縮』内容
なぜ、私なの?−賭博師シェルの奸計により、少女娼婦バロットの叫びは爆炎のなかに消えた。瀕死の彼女を救ったのは、委任事件担当官にしてネズミ型万能兵器のウフコックだった。高度な電子干渉能力を得て蘇生したバロットはシェルの犯罪を追うが、その眼前に敵方の担当官ボイルドが立ち塞がる。それは、かつてウフコックを濫用し、殺戮のかぎりを尽くした男だった・・・弾丸のごとき激情が炸裂するシリーズ全3巻発動。
(「BOOK」データベースより)

・『燃焼』内容
緊急事態において科学技術の使用が許可されるスクランブル‐09。人工皮膚をまとって再生したバロットにとって、ボイルドが放った5人の襲撃者も敵ではなかった。ウフコックが変身した銃を手に、驚異的な空間認識力と正確無比な射撃で相手を仕留めていくバロット。その表情には、強大な力への陶酔があった。やがて濫用されたウフコックが彼女の手から乖離した刹那、ボイルドの圧倒的な銃撃が眼前に迫る−緊迫の第2巻。
(「BOOK」データベースより)

・『排気』内容
科学技術発祥の地“楽園”を訪れたバロットが知ったのは、シェルの犯罪を裏付ける記憶データが、カジノに保管された4つの100万ドルチップ内に存在するという事実だった。チップを合法的に入手すべくポーカー、ルーレットを制してゆくバロット。ウフコック奪還を渇望するボイルドという虚無が迫るなか、最後の勝負ブラックジャックに臨んだ彼女は、ついに最強のディーラーと対峙する−喪失と安息、そして超克の完結篇。
(「BOOK」データベースより)


 舞台となる時代や都市など、設定や背景の説明がないので、少々分かりにくいところもあるが、説明のための説明を省いたのだろう。

 何が新鮮って、あの何百ページにも渡るカジノでのポーカーやブラックジャックのシーン。SFにおけるこんな“戦い方”があるなんて。ポーカーやブラックジャックのルールやシステムに詳しくなくても(僕もそう)、なんの苦痛も感じることなく、読んでいける。

 ここに描かれているのは、一度は死にかけた(死んだ)少女が、自分が自分として生きていくためのアイデンティティを賭けた戦いだから。

 中止になったOVAに代わり、劇場アニメ化が決定・進行しているらしい。原作をこうして読んだ限りでは映像化は厳しいと思える場面もあるのだが・・・。原作同様、3部作みたいで、第1弾は今年の秋。

 アニメの公式サイトを見ると、キャラの見た目が僕のイメージとはかなり違うけど、観に行ってみようかな。

映画『マルドゥック・スクランブル』公式サイト
http://m-scramble.jp/


 次は、『映画篇』(金城一紀・著/集英社文庫)。
posted by ふくちゃん at 20:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 恋愛小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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