2014年08月21日

映画篇




・内容(「BOOK」データベースより)
人生には、忘れたくても忘れられない、大切な記憶を呼び起こす映画がある。青春を共にし、別々の道を歩んだ友人。謎の死を遂げた夫。守りたいと初めて思った女性・・・。「太陽がいっぱい」「愛の泉」など名作映画をモチーフに、不器用ゆえ傷ついた人々が悲しみや孤独を分かち合う姿を描く5篇を収録。


 新潮文庫の新刊だと思って買って読み始めたら、口絵のイラストに見覚えが。集英社文庫からレーベル移転だった。

 まあいいかと思い、最後まで読む。

 一篇一篇はやや作為的に過ぎて、鼻白むところもある。確信犯的に狙っているような気もするが。

 最初の4篇はどれも独立した物語だが、町の区民会館での『ローマの休日』上映会のエピソードがさらりと登場する。

 そして、最後の『愛の泉』はその上映会がいかにして催されることになったのかを描く、ある家族の物語である。

 この出来が良いので、全体としても救われる感じ。

 ちなみに、もう忘れていたが、前回の感想(2010年7月11日)も同じようなものだった。

〔評価〕★★★☆☆


 次は、『天の梯 みをつくし料理帖』(高田郁・著/ハルキ文庫)。


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2014年03月09日

生存者ゼロ




・内容(「BOOK」データベースより)
北海道根室半島沖に浮かぶ石油掘削基地で職員全員が無残な死体となって発見された。陸上自衛官三等陸佐の廻田と感染症学者の富樫らは、政府から被害拡大を阻止するよう命じられる。しかし、ある法則を見出したときには、すでに北海道本島で同じ惨劇が起きていた−。未曾有の危機に立ち向かう!壮大なスケールで未知の恐怖との闘いを描く、第11回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作。


 『ジェノサイド』とどちらを購入するか迷った結果、新しい作家を読んでみようと思い購入してみたが・・・。

 所詮は新人の作品にすぎなかった。

 導入から事件の全貌が明らかになり、物語が動き出すまでが遅い。

 文章にも難がある。

 たとえば、251〜252ページ。富樫は鹿瀬の背中を銃口で押しながら、倉庫裏に連れ込む。

 富樫から見た鹿瀬の表情が描かれるから、倉庫裏に入った後、2人は向かいあったのだろう。そういう描写はないが、まあいい。

 だが、2人の会話の直後、富樫は銃座で鹿瀬の後頭部を殴る。鹿瀬が後ろを向いたり、富樫が鹿瀬の後ろに回り込んだりする描写はないのに。

 2人の位置関係が分からず、頭の中で?が乱舞した。

 全般的に感傷過多。著者の気持ちだけが先走り、表現が追い付いていない。要は読む者に伝わらない独りよがりな文章である。

 第五の鉢、下弦の月・・・といったキーワードも何を表しているのか、さっぱり分からない。

 駄作。

〔評価〕☆☆☆☆☆(星0)


 次は『RDG6 レッドデータガール 星降る夜に願うこと』(荻原規子・著/角川文庫)。
posted by ふくちゃん at 17:46| Comment(0) | TrackBack(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年02月20日

神様のカルテ3




・内容(「BOOK」データベースより)
「私、栗原君には失望したのよ。ちょっとフットワークが軽くて、ちょっと内視鏡がうまいだけの、どこにでもいる偽善者タイプの医者じゃない」内科医・栗原一止が30歳になったところで、信州松本平にある「24時間、365日対応」の本庄病院が、患者であふれかえっている現実に変わりはない。夏、新任でやってきた小幡先生は経験も腕も確かで研究熱心、かつ医療への覚悟が違う。懸命でありさえすれば万事うまくいくのだと思い込んでいた一止の胸に、小幡先生の言葉の刃が突き刺さる。映画もメガヒットの大ベストセラー、第一部完結編。


 Amazonなどで見かける「感動した」「泣きました」という感想には違和感があるが、手堅く安定感ある小説である。

 一止のどこか古風な一人称の語りや他の登場人物との会話が小気味よい。

 『2』で登場した進藤が本庄病院に定着し、新たに小幡が赴任し、砂山が去る。『2』で御嶽荘を去った屋久杉君が生まれ変わって戻り、また旅立っていく。同じく『1』で御嶽荘を去った学士君が本当に学士になって戻ってきた。

 そして、ずっと本庄病院にいると思っていた主人公・一止もまた・・・。

 時は移ろい、人も移ろう。

 切ないようでいて、それが良い。

 今回は小幡女医のエピソードが重い部分を担っている。仕事とプライベート、目の前の仕事と崇高な目標。誰の姿勢、哲学が正しいのかは、分からない。それぞれに一理ある。ここは安易に結論めいたものを描かなかった点が良かった。

 一方、“誤診”騒動の結末は安易かな。

 一止の妻・榛名の存在も、一服の清涼剤に留まっているのが残念。

〔評価〕★★★☆☆


 次は、『美雪晴れ みをつくし料理帖』(高田郁・著/ハルキ文庫)。
posted by ふくちゃん at 19:25| Comment(0) | TrackBack(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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