2012年08月26日

悪の教典

 


・上巻内容(「BOOK」データベースより)
晨光学院町田高校の英語教師、蓮実聖司はルックスの良さと爽やかな弁舌で、生徒はもちろん、同僚やPTAをも虜にしていた。しかし彼は、邪魔者は躊躇いなく排除する共感性欠如の殺人鬼だった。学校という性善説に基づくシステムに、サイコパスが紛れこんだとき − 。ピカレスクロマンの輝きを秘めた戦慄のサイコホラー傑作。

・下巻内容(「BOOK」データベースより)
圧倒的人気を誇る教師、ハスミンこと蓮実聖司は問題解決のために裏で巧妙な細工と犯罪を重ねていた。3人の生徒が蓮実の真の貌に気づくが時すでに遅く、学園祭の準備に集まったクラスを襲う、血塗られた恐怖の一夜。蓮実による狂気の殺戮が始まった!ミステリー界の話題を攫った超弩級エンターテインメント。


 単行本刊行当時、結構話題になった作品である。それだけに期待していたが、上巻を読んでいる間、下巻を読むかどうかずっと迷っていた。結局、最後まで読んだのだが、物足りなさが残る。

 まず、蓮実聖司以外の教師や生徒も、かなりひどい連中である。特に教師はクソだらけ。蓮実の「悪」のスケールが、他の登場人物のそれを凌駕していることは確かだが、周囲も「悪」だらけのため、相対的に蓮実の悪辣度を下げてしまうのだ。

 さらに、蓮実は、良く言えば臨機応変だが、実態はかなり行き当たりばったりである。自分の能力を過信しすぎ。もっとパーフェクトな悪人ぶりを期待したのに、不用意なミスが多く、詰めが甘いのだ。最後の殺戮も、ミスを隠蔽するために始めたことである。サイコ度合はなかなかだが、「絶対的な悪」としては期待はずれ。

 ついでに、最後の短編2編は、蛇足以外のなにものでもない。

〔評価〕★★★☆☆


 次は『天空の少年探偵団』(秋梨惟喬・著/創元推理文庫)。


ラベル:悪の教典
posted by ふくちゃん at 19:23| Comment(0) | TrackBack(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月13日

無理(上・下)

 


・上巻内容(「BOOK」データベースより)
合併で生まれた地方都市・ゆめので、鬱屈を抱えながら暮らす5人の男女 − 人間不信の地方公務員、東京にあこがれる女子高生、暴走族あがりのセールスマン、新興宗教にすがる中年女性、もっと大きな仕事がしたい市議会議員 − 。縁もゆかりもなかった5人の人生が、ひょんなことから交錯し、思いもよらない事態を引き起こす。

・内容(「BOOK」データベースより)
真面目に働くことの馬鹿馬鹿しさを知り、自分の地位が脅かされることにおののき、信じていたものには裏切られ・・・。5人の男女が心の軋みに耐え切れなくなった時、それぞれの人生は猛スピードで崩壊してゆく。矛盾だらけのこの国を象徴するかのような地方都市・ゆめのを舞台に、どん詰まり社会の現実を見事に描き切った群像劇。


 奥田氏は初読み。面白いと聞いて、珍しく人から借りて読んだ本。

 この国の、特に地方のどん詰まりを描くために、群像劇を選んだのであろうが、5人の人生なんて描かず、誰か1人(5人のうち1人ではなく、全く別のキャラでもいい)の救いのない人生を徹底的に描いて欲しかった。その方が、迫力ある濃密な作品になっただろう。

 5人の人生が交錯するのは、最後の最後。だが、いろんなモノを放り出して終わってしまったように思う。彼らの人生のどん底はこれからなのに、それが読めないとは・・・。

〔評価〕★☆☆☆☆


 次は、『ふたりの距離の概算』(米澤穂信・著/角川文庫)
ラベル:無理 奥田英朗
posted by ふくちゃん at 20:35| Comment(0) | TrackBack(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月04日

オール・マイ・ラビング 東京バンドワゴン




・内容(「BOOK」データベースより)
東京、下町の老舗古書店「東京バンドワゴン」を営む堀田家は、今は珍しき4世代の大家族。店には色々な古本が持ち込まれ、堀田家の面々はまたしても、ご近所さんともども謎の事件に巻き込まれる。ページが増える百物語の和とじ本に、店の前に置き去りにされた捨て猫ならぬ猫の本。そして、いつもふらふらとしている我南人にも、ある変化が・・・。ますます賑やかになった大人気シリーズ、第5弾。


 毎度のことではあるが、語り手のサチの口調や良い人ばかりの堀田家とその周辺の人物たちの言動に、いつものようにムズがゆい思いをしながら読む。

 我南人(がなと)が日本のキング・オブ・ロックであることにも、相変わらずリアリティが感じられないのだが・・・。今回はさらに世界的なロックギタリスト、キースとも友人であり、キースのバンドのワールド・ツアーに我南人のバンドも誘われるという・・・。

 キースは、キース・リチャーズでしょ、コレ。ということは、そのバンドは、ローリング・ストーンズ。・・・ありえねぇ(笑)。

 「東京バンドワゴン」の蔵には、昭和史の闇を暴く大スクープ・ネタが眠っているとか。

 冴えない青年と人気女優の恋とか。

 ムズがゆいぞ。

 だけど、暖かくて、楽しくて、優しい気持ちになれるシリーズ。

〔評価〕★★★☆☆


 次は、『おそろし 三島屋変調百物語事始』(宮部みゆき・著/角川文庫)
posted by ふくちゃん at 21:15| Comment(0) | TrackBack(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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