2007年05月11日

飛ぶ教室


飛ぶ教室
著者名:ケストナー(著)
     丘沢静也(訳)
出版社:光文社
出版年:2006.09
ISBN :9784334751050


 『飛ぶ教室』といえば、児童文学。

 もっと(良くない意味で)子供向けの作品だと思っていた。幼い頃、読んだような気もするのだが記憶は曖昧である。

 とにかく、今回読んでみてこんなに素敵な小説だったのか!と目からウロコの大感銘。


孤独なジョニー、弱虫のウーリ、読書家ゼバスティアン、正義感の強いマルティン、いつも腹をすかせている腕っぷしの強いマティアス。同じ寄宿舎で生活する5人の少年が友情を育み、信頼を学び、大人たちに見守られながら成長していく感動的な物語。ドイツの国民作家ケストナーの代表作。
(「BOOK」データベースより)


 5人の少年達の個性豊かな腕白ぶりがキラキラで、愛おしい。そして、寄宿舎の舎監を務める「正義さん」ことベーク先生、列車の禁煙車両を自宅にしている「禁煙さん」といった大人たちも素敵だ。もし、子供の頃、こんな大人に接することができたら、その子供はとても幸運だし、素敵な大人になれるだろう。

 読んでいる間中、思わず吹き出しそうになったり、目が潤んだり。幸福な読書だった。1933年の作品だが、古典とは呼びたくないほどの瑞々しさ!


 次は『地球へ…』(竹宮恵子・著/スクウェア・エニックス)。


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2007年04月09日

カラマーゾフの兄弟3


カラマーゾフの兄弟 3
著者名:ドストエフスキー(著)
     亀山郁夫(訳)
出版社:光文社
出版年:2007.02
ISBN :9784334751234


 今回も結構読むのに時間がかかった。北方水滸伝とほぼ同じ厚さで、向こうはあっという間に読めるのにな。

 面白くないわけじゃない。むしろ、ぐいぐい読ませる。なんだか得体のしれない異様な迫力がある。しかし、やはり一筋縄では理解できないところもあって・・・。


ゾシマの死に呆然とするアリョーシャ。しかし長老の遺体には、信じられない異変が起こる。いっぽう、第2巻で「消えて」いたミーチャは、そのころ自分の恥辱をそそぐための金策に走り回っていた。そして、ついに恐れていた事態が。父フョードルが殺された!犯人は誰なのか。
(「BOOK」データベースより)


 主要な登場人物たちはごく一部を除いて、やたらに多弁で饒舌で情熱的で、何かに取り憑かれたように常軌を逸した躁状態と鬱状態を行き来する。

 そして、この第3巻ではカラーマゾフ3兄弟の長兄ミーチャが、純粋で高潔ゆえに人生を狂わせていく、その様が滑稽でもあり、哀しくもある。

 しかし、ドストエフスキーって、重厚で難解で説教臭くて退屈で・・・と勝手にイメージしていたのだが(若い頃『罪と罰』も数ページで挫折したし)、こんなに(ある意味)パンクやったんやな。

 登場人物たちの思考や感情や妄想が暴走しとる。この迫力には、グロテスクなだけの通俗小説では勝てまい。

カラマーゾフの兄弟1
カラマーゾフの兄弟2


 次は『バッテリー6』(あさのあつこ・著/角川文庫)。これは昨日今日で読み終わったけど、『村上かるた うさぎおいしーフランス人』はまだ途中。
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2007年02月27日

黒猫/モルグ街の殺人


黒猫,モルグ街の殺人
著者名:ポー(著)
     小川高義(訳)
出版社:光文社
出版年:2006.10
ISBN :9784334751104


 世界最古の名探偵が登場する世界最古のミステリ。それがエドガー・アラン・ポー『モルグ街の殺人』である。

 初めて読んだ。

 世界最古(しつこい)の密室トリックである。

 う〜ん、こんな作品だったとは。まさか×ラ××ー×ンが犯人とは!

 意外すぎて笑える・・・。

 伏線の張り方、論理性には難があり過ぎると思うが、確かにここに密室ミステリの原型が示されている。

 女性の悲鳴と男性のなだめるような声、激しい物音。警察や近所の人々が鍵を壊して踏み込んでみると、女性の死体が2つ。隈なく探しても他には誰もいない。窓には内側から鍵がかかっている・・・。

 これが江戸時代の作品なんだから、驚くよなぁ。

 『モルグ街の殺人』のほかには、もうひとつの代表作『黒猫』を含めた短編小説が5つ、評論というかエッセイのような短編が1つ収録されている。『モルグ街〜』は約60ページ、他は20ページ以下。

 短編は、何かに取り憑かれたような語り手が、自己の成し遂げた完全犯罪(と本人は思っている)を密かに誇りながら、遂には自ら犯罪を露見させる道を選んでしまう・・・そんなテイストの話ばかりだが、いずれも読む側を不思議な感覚で包んでしまう。こんなに短いのに小説を読む楽しみはギッシリ。

 読んで良かった。

 今は『あなたに不利な証拠として』(ローリー・リン・ドラモンド著/ハヤカワポケットミステリ)を読んでる最中。
posted by ふくちゃん at 23:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 古典的名作 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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