2014年05月20日

転迷 隠蔽捜査4




・内容(「BOOK」データベースより)
大森署署長・竜崎伸也の身辺は、にわかに慌しくなった。外務省職員の他殺体が近隣署管内で見つかり、担当区域では悪質なひき逃げ事件が発生したのだ。さらには海外で娘の恋人の安否が気遣われる航空事故が起き、覚醒剤捜査をめぐって、厚労省の麻薬取締官が怒鳴り込んでくる。次々と襲いかかる難題と試練−闘う警察官僚竜崎は持ち前の頭脳と決断力を武器に、敢然と立ち向かう。


 隠蔽捜査シリーズもスピンオフの3.5を含め、5冊め。

 充分に楽しめる水準ではあるが、過去作のレベルがあまりに高いので、今作に対してはどうしても評価が辛くなってしまう。

 常に原理原則に即して行動する竜崎。国家公務員あるいは警察官僚という自分の任務に忠実に責務を果たそうとする彼に立ちはだかる様々な組織の壁。

 そのいわば内なる敵の強大さこそが、対峙する竜崎の姿を鮮やかに映し出し、読む者の心を熱くするのであるが・・・。

 今回は、ちょっと敵が小物過ぎる。竜崎の追い込まれ度は弱い。

 娘の彼氏のエピソードも、外務官僚を登場させるためにとってつけた感じがある。

 ということで、次作に期待。

〔評価〕★★★☆☆


 次は『ブラッド・スクーパ The Blood Scooper』(森博嗣・著/中公文庫)。
posted by ふくちゃん at 21:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 警察小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年02月04日

初陣 隠蔽捜査3.5




・内容(「BOOK」データベースより)
警視庁刑事部長を務めるキャリア、伊丹俊太郎。彼が壁にぶつかったとき頼りにするのは、幼なじみで同期の竜崎伸也だ。原理原則を貫く男が愛想なく告げる一言が、いつも伊丹を救ってくれる。ある日、誤認逮捕が起きたという報に接した伊丹は、困難な状況を打開するため、大森署署長の竜崎に意見を求める(「冤罪」)。『隠蔽捜査』シリーズをさらに深く味わえる、スピン・オフ短篇集。


 『隠蔽捜査』シリーズは、建前も本音もなく、合理的で正しいことを貫くキャリア警察官僚・竜崎伸也の言動が、なんとも心地よいカタルシスをもたらす。

 一方で、たてまえと本音を使い分けることを処世術とする、一般的な組織人を代表するのが、竜崎の幼馴染みでやはりキャリアの伊丹である。

 警視庁の刑事部長を務めるぐらいだから、凡庸ではないわけだが、竜崎の個性の前にはやや影が薄い。そんな彼を主人公にしたスピン・オフ短篇集は、本シリーズに負けず劣らず、面白かった。

 伊丹の行動原理は、竜崎の批判に晒されるが、そこには伊丹なりの思慮や信念があり、組織人としては共感せざるを得ない。伊丹が内心では「竜崎にはかなわない」と思いつつも、それを口に出さない気持ちもよく分かる。

 伊丹が判断と行動に迷うとき、竜崎を頼りたくなる気持もよく分かる。2人の遣り取りには実におかしみがある。

 まったく得難い警察小説だ。

〔評価〕★★★★★


 次は、『写楽 閉じた国の幻(上・下)』(島田荘司・著/新潮文庫)。
posted by ふくちゃん at 22:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 警察小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月18日

破弾 刑事・鳴沢了




・内容(「BOOK」データベースより)
故郷を捨てた男は、それでも刑事にしかなれなかった。警視庁多摩署で現場に戻った了は、刑事部屋で倦厭され孤立する美女刑事とコンビを組む。命じられたホームレス傷害事件に腐る2人だが、被害者の周囲にはなぜか公安の影が・・・。東京郊外の新興住宅地に潜む、過去の闇を暴けるのか?新警察小説。


 刑事という職業を選んだのではなく「刑事に生まれた」と自己規定する鳴沢は、故郷の新潟と新潟県警を捨てたものの、結局は刑事でしかいられない。

 学生時代を過ごした東京で再び特別採用枠を利用して刑事となる。おそらくは新潟県警幹部である父の口利きもあったのであろうが、縁を切った今、確かめる気もない。

 通常とは異なるルートで警視庁刑事となった了は、周囲からは疎まれている。まともな仕事は回ってこず、古い事件の捜査資料を読んで時間を潰す日々。

 他に手の空いている担当者がいないということで、同じく爪弾きにされている女性刑事・小野寺冴とホームレス襲撃事件の捜査にあたることに。

 被害者のホームレスは、なぜ姿を消したのか?元・極左活動家の連続殺人事件との接点は?


 鳴沢の言動を含めて、第1作よりも格段に良かった。まあ、犯人については今回もすぐに予想がつくのだが。。。

 小野寺冴との恋愛は上手く行かずに終わる。まさか、毎回、恋人(に近い女性)が出来ては別れるという展開じゃないだろうな。とりあえず、次作も読む。

〔評価〕★★★☆☆


 次は、『シスマの危機 小説フランス革命6』(佐藤賢一・著/集英社文庫)。
posted by ふくちゃん at 18:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 警察小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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