2015年07月21日

リカーシブル




・内容(「BOOK」データベースより)
越野ハルカ。父の失踪により母親の故郷に越してきた少女は、弟とともに過疎化が進む地方都市での生活を始める。だが、町では高速道路の誘致運動を巡る暗闘と未来視にまつわる伝承が入り組み、不穏な空気が漂い出していた。そんな中、弟サトルの言動をなぞるかのような事件が相次ぎ・・・。大人たちの矛盾と、自分が進むべき道。10代の切なさと成長を描く、心突き刺す青春ミステリ。


 転生を重ねる姫の民話。民話を調べる人間に降りかかる災厄や死。それらを見通すような弟サトルの未来視。

 少し不思議で超常現象的な物語。

 しかし、ミステリだから、一応論理的な解決はある。

 でも完全な解決ではなく、あえて割り切れない謎を残すところがいい。

 主人公ハルカの思考や語彙は、確かに中1らしくない。

 だが、読んでいるうちに全く気にならなくなる。こういう中学1年生は絶対にいない、と言い切ることは僕にはできない。

 少なくとも、こういう感性や視点を持つ中学生がいても不思議ではない。

 ハルカのどこかハードボイルドな語りが面白くて、哀しい。

〔評価〕★★★★☆


 次は、『烏に単は似合わない』『烏は主を選ばない』(阿部智里・著/文春文庫)。
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2015年07月07日

光圀伝(上・下)




・上巻内容(「BOOK」データベースより)
「なぜあの男を自らの手で殺めることになったのか」老齢の光圀は、水戸・西山荘の書斎でその経緯と己の生涯を綴り始める。父・頼房の過酷な“試練”と対峙し、優れた兄・頼重を差し置いて世継ぎに選ばれたことに悩む幼少期。血気盛んな“傾奇者”として暴れる中で、宮本武蔵と邂逅する青年期。やがて文事の魅力に取り憑かれた光圀は、学を競う朋友を得て、詩の天下を目指す−。誰も見たことのない“水戸黄門”伝、開幕。

・下巻内容(「BOOK」データベースより)
「我が大義、必ずや成就せん」老齢の光圀が書き綴る人生は、“あの男”を殺めた日へと近づく。義をともに歩める伴侶・奏姫と結ばれ、心穏やかな幸せを掴む光圀。盟友や心の拠り所との死別を経て、やがて水戸藩主となった若き“虎”は、大日本史編纂という空前絶後の大事業に乗り出す。光圀のもとには同志が集い、その栄誉は絶頂を迎えるが−。“人の生”を真っ向から描き切った、至高の大河エンタテインメント!



 水戸黄門様こと水戸光圀。

 諸国漫遊は、実際にはしていないこと。進取に富み、大日本史を編纂し、水戸学を創始したこと。

 知っていることは、その程度。しかも、上記の知識さえも不正確なものであった。

 浅学菲才の身には、この『光圀伝』のどこまでが史実で、どこからが虚構かは正確には分からない。

 正室・泰姫の侍女・左近は架空の人物かと思ったら実在で、光圀の最期を看取るシーンも史実に近いらしい。

 編者不明の『土芥寇讎記』(どかいこうしゅうき)』。その存在をこの小説で初めて知ったのだが、五代将軍綱吉当時に編纂された全国諸藩の“通信簿”のようなものらしい。その成立に関する説は、説得力があるように思える。

 自ら抜擢し、自分の後を継いだ子の下で水戸藩大老となった藤井紋太夫(ふじいもんだゆう)を、最終的に自らの手で屠るわけだが、なぜそんなことをしたのか、不明らしい。その殺害のシチュエーションは異様である。一応は、綱吉の側用人・柳沢吉保と結託して、光圀失脚を画策したためという説が有力らしいが、光圀が隠居した後の出来事であり、しっくりこない。

 この小説は、光圀の紋太夫手討ち(殺害)のシーンに始まり、同じシーンで終わる。

 そこには、光圀の幼少期から老年期の生き様と苦しんだ後にようやく見出した大義、光圀を敬愛してやまない紋太夫が史書編纂・研究の中で見つけた水戸家を思うゆえの大義の対立があった。

 これにも説得力があるし、この着想がこの作品を描かせたのかな。

 光圀がこれほど文武に秀でた英傑とは知らなかった。荒れていた若い時代も含めて、いささかカッコよく描き過ぎのような気もするが・・・。

 欲を言えば、もっと長くても良いから、様々なエピソードをじっくり描いて欲しかった。やや駆け足の印象が残る。

 タイミングを合わせて、冲方氏による「『光圀伝』謎解き散歩」(新人物文庫)も刊行された。読んでみよかな。

〔評価〕★★★★☆


 次は、未定。
ラベル:光圀 黄門 冲方
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2015年07月03日

虚像の道化師/禁断の魔術




・虚像の道化師 内容(「BOOK」データベースより)
ビル5階にある新興宗教の道場から、信者の男が転落死した。男は何かから逃れるように勝手に窓から飛び降りた様子だったが、教祖は自分が念を送って落としたと自首してきた。教祖は本当にその力を持っているのか、そして湯川はからくりを見破ることができるのか(「幻惑す」)。ボリューム満点、7編収録の文庫オリジナル編集。

・禁断の魔術 内容(「BOOK」データベースより)
高校の物理研究会で湯川の後輩にあたる古芝伸吾は、育ての親だった姉が亡くなって帝都大を中退し町工場で働いていた。ある日、フリーライターが殺された。彼は代議士の大賀を追っており、また大賀の担当の新聞記者が伸吾の姉だったことが判明する。伸吾が失踪し、湯川は伸吾のある“企み”に気づくが…。シリーズ最高傑作!


 文藝春秋社のガリレオ特設サイトに掲載されている東野圭吾氏の言葉によると・・・。

 短篇集2冊目の『予知夢』の時点で、早くも短篇用のネタは品切れ。

 その後、なんとか『ガリレオの苦悩』をモノにしたものの、今度こそネタ切れ。

 しかし、指1本触れずに人を転落死させる方法を思いついて、短篇『幻惑す』を書きあげる。その作品を出版したいとの思いで、他の話も苦労して生み出し、4本まで書き終える。

 これまでのガリレオ短篇集は1冊に5本ずつ。だから、もう1本を書こうと頭を捻っていたら、ネタ切れで苦しんでいたはずなのに、複数の話が閃き、合計8本に。

 それを4本ずつ単行本にして、『虚像の道化師』『禁断の魔術』として発刊。

 ここまで書けたのは、湯川や草薙がストーリーを動かすための道具ではなく、いつの間にか血肉を備えた人間になっていたからだと言う。

 当初のカリレオ・シリーズとはカラーが異なっており、そこに批判もあるようだが、より人間臭くなった湯川や草薙は嫌いではない。

 文庫版『虚像の道化師』は、単行本の〔『虚像の道化師』+(『禁断の魔術』−「猛射つ」)〕で構成された短篇集。

 文庫版『禁断の魔術』は、「猛射つ」を大幅加筆・改題して長篇化したもの。

 どちらも、傑作とは言わないが、水準作。

 ・・・などと言われたり、批判されるのは、多作かつ売れる作家の宿命。

 一見クールな湯川の密やかな熱さや細やかさ、湯川と草薙の友情がいい。

 ミステリに対する感想じゃないか・・・(笑)。

 にしても、ドラマを見ていたせいで、既視感が半端なかった(笑)。自分は単行本を読んだのではないか?この文庫本は実は過去に発売されていて、新装刊に過ぎないのではないか?と何度も疑いながら、読んだ。

〔評価〕★★★★☆


 次は、『光圀伝(上・下)』(冲方丁・著/角川文庫)。
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2015年06月22日

怨讐星域1・2・3




・1‐内容紹介
地球最期のとき。旅立った3万人と、残された70億人。太陽のフレア膨張による地球消滅から逃れるため、アジソン米大統領と選ばれた3万人だけを乗せた世代間宇宙船ノアズ・アークが、密やかに出航した。残された人々はノアズ・アークを呪い、大統領の娘ナタリーの恋人が発明した星 間転移で決死の脱出を図った−。2つの人類の目標は、172光年先にある約束の地。生き残りを賭け闘う人間それぞれの受難、愛憎、そして希望を通して、世界の喪失と再生を描く、SF大河ロマン。

・2‐内容紹介
2つの人類の運命。172光年の旅路と、創世される新世界。滅びの地球から脱出した、2つの人類。その1つは宇宙船ノアズ・アーク内で、結婚して子を産み育てながら172光年先を目指していた。いま1つの人類も、星間転移で到達した約束の地・エデンにて世代を重ねながら、新たな文明社 会を築いていた。最初の転移者から数えて第5世代のタツローは、入植を祝う降誕祭の準備に奔走する日々。彼はやがて、歳月を超えて受け継がれたノアズ・アークへの憤怒と憎悪に直面するが・・・。

・3‐内容紹介
邂逅する人類たち。待ち受けるのは災厄か、あるいは?ノアズ・アークは172光年の旅を終え、約束の地・エデンの遷移軌道上に辿り着いた。一方でエデンの住民は、首長アンデルスの号令の下で皆兵化と軍拡を進めていた−全てはノアズ・アーク乗員の皆殺しのために。地球消滅から長い年月を経て、再会を果たす人類の末裔たち・・・。やがて空前の大災厄がそれぞれに襲いかかるとき、最後に残されるのは積年の怨讐か、それとも−。人間と人間の相剋と未来を問うSFクロニクル完結。


 1「ノアズ・アーク」、2「ニューエデン」、3「約束の地」の3巻から成る、長い長い人類の年代記。

 ある日、地球の滅亡が不可避であることが判明する。太陽が肥大化し、地球を飲み込むのだ。正確な日時は不明だが、そう遠くない将来に。

 その事実は大部分の人類には伏せられたまま、アメリカのアジソン大統領をトップとして選抜された全世界2万人が種の存続のため、密かに建造された長距離航行可能な宇宙船で地球を脱出する。

 実は遥か彼方172光年先に人類の生存に適した惑星が発見されていたのだ。

 やがて、残された人類もそれらの事実を知る。そして、滅び去る運命だった彼等にも奇跡が・・・。

 どんな物質も設定した空間に転送する技術が開発されたのだ。もちろん人間さえも。

 一部の人類は地球と運命を共にすることを選ぶが、大多数が172光年先の「約束の地」への転送を選ぶ。

 転送技術は完璧ではなかった。それでも何割かの人類は「約束の地」にたどり着き、原始時代に逆戻りしたかのようなギリギリの生存環境の中、未知の生物などの脅威に晒されながらも、生きていく。

 やがて、何世代も経て、約束の地=ニューエデンで文明を築いた人類は、いつかこの地を宇宙船で訪れるであろう“アジソン一味”の末裔への復讐をいわば国是としていた。

 一方のノアズ・アーク号も世代を重ねる。地球を知らず、約束の地に辿りつくこともなく、いつか約束の地に辿りつく子孫を残すために人生を送る人々。個人としては、そんな人生に意味があるのか・・・。

 大地も、風も、緑も、海も、川も、太陽も、何もかも・・・精緻なバーチャル・リアリティでは知っていても、本物は知らない人々。

 彼等にも、仕事があり、友がいて、恋が生まれ、家族がいる。やはり人生があるのだ。まさか、先に地球から約束の地にたどり着いた人類がいるとは露知らず・・・。

 やがて邂逅する2つの人類。復讐と戦争か。和解と融合か。


 大勢のキャラクターがずっと登場するようなスペオペではない。短篇ごと、一篇ごとに時代も人も入れ替わる構成である。

 この人達の話をもっと読みたい・・・と思っても、次の章では全く異なる話になる。

 それがいい。

 あるエピソードに登場した人物の子孫が、別のエピソードで登場するのも、予想される展開だが、それゆえに楽しい。


 2巻のラスト・エピソード「七十六分の少女」で、転送中のアクシデントによりノアズ・アーク号に76分間だけ現れた少女ミユキ。偶然出会ったジョナと恋に落ち、約束の地での再会を約束したが・・・。2人は出会えただろうか。

〔評価〕★★★★☆


 次は、『虚像の道化師』(東野圭吾・著/文春文庫)。
posted by ふくちゃん at 22:56| Comment(0) | TrackBack(0) | SF | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年06月16日

三国志 第八巻/第九巻




・第八巻 内容(「BOOK」データベースより)
戦え、と天はわれに命じている。天意を感じた関羽はわずかに笑み、そして孫権の兵に突入し斃れた。復讐を誓い荊州に出兵した劉備だったが、自らも死の病に伏す。三十余年の霸道を駆けぬけた魏王曹操もついに崩じ、王位は嗣王の曹丕に。戦国の英雄たちの死によって後漢王朝期は終焉を迎え、今ほんとうの三国時代が始まる − 。

・第九巻 内容(「BOOK」データベースより)
後世に名高い「出師の表」を書き、孔明は魏を征伐すべく軍を発する。しかし先鋒を任せた馬謖は兵法には精通しているが実戦経験に乏しく、惨敗を喫す。未だ成熟をみない国の法を重んじ、涙を流しながら馬謖を誅す孔明。一方、尊号を王から皇帝に改めた孫権は、早期の天下平定を目指し遼東の公孫淵と手を結ぼうと使者を送るが・・・。


 七巻まで読んだところで長らく中断していたが、最近十二巻が出て文庫版完結、ということで再び読み始めた。

 八巻・九巻では、魏王の曹操は死に、漢王朝の最後の皇帝・献帝から禅譲を受けた曹丕が魏王朝の皇帝に。

 蜀で自ら皇帝となった劉備も亡くなり、息子の二代皇帝・劉禅と諸葛亮孔明の時代へ。

 呉の孫権も自らを皇帝となり、三つの王朝と皇帝が中華に並び立つ真の三国時代が始まる。

 宮城谷氏の作品は相変わらず物語に没入することを許さない(笑)。至る箇所で、背景やら、人となりやらの説明が入ってくるからだ。

 リーダビリティという点では、弱点を抱える作風である。

 とはいえ、氏の人物評は興味深い。

 三国志に数多く登場する英傑の中では、曹操を最も高く評価しているようだ。劉備や孔明、孫権に対しては意外に手厳しい。

 かの有名な“孫子の兵法”に対しても辛口である。

 とはいえ、どんな人物に対しても、評価すべきところは評価し、批判すべき点は批判しており、公正な目で三国志を見つめているように思える。

 リーダーとは何か。なんだか勉強になる。ビジネスマンに受けそうだ。

〔評価〕★★★☆☆


 次は、『怨讐星域 1・2・3』(梶尾真治・著/ハヤカワ文庫)。
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2015年06月03日

名もなき花の 紅雲町珈琲屋こよみ




・内容(「BOOK」データベースより)
小蔵屋を営むお草は、新聞記者の萩尾の取材を手伝って以来、萩尾と、彼のライフワークである民俗学の師匠・勅使河原、その娘のミナホのことが気にかかっている。15年前のある“事件”をきっかけに、3人の関係はぎくしゃくしているらしいのだ。止まってしまった彼らの時計の針を、お草は動かすことができるのか。好評第3弾!


 発売されたのは昨年の夏だから、1年遅れで手に取った、シリーズ第3弾。

 一応は、1話完結の連作短編だが、1巻全体で1つの日常の謎型ミステリにもなっている。

 若い頃に夫を離婚し、幼子も喪った心の傷を持ちながら、こだわりの和雑貨とコーヒーを売る小さな店・小蔵屋を営む老年の女性・お草さんが主人公。

 どこかほっこりしそうな設定で、実際そういう部分もあるが、それだけでない。

 誰も持つ愚かさも描かれ、時に苦みを感じる。

 が、それをも優しく見つめる著者の筆致は悪くない。地味ではあるが、なかなか達者な1冊。

〔評価〕★★★☆☆


 次は、『三国志 第八巻』(宮城谷昌光・著/文春文庫)。
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2015年05月24日

革命の終焉 小説フランス革命18




・内容紹介(裏表紙より)
盟友デムーラン、ダントンらを処刑台に送り、喪失感に苛まれながらも革命の完成を目指すロベスピエール。最高存在の祭典でフランス人民がひとつになり、対外戦争でも大きな勝利を収めたが、行き過ぎた粛清が恐怖を呼び、公安委員会が分裂。ロベスピエールやサン・ジュストに逮捕状が − 。革命は、成ったのか。全てを懸けた男たちの運命は。毎日出版文化賞特別賞受賞の歴史巨編、ついに完結!


 Wikipediaでは「この頃から横暴になり・・・」みたいに書かれているが、この小説におけるロベスピエールは苦悩し、挫折感を味わいながら、懸命に進んできた。気の毒なほどである。

 独裁者ではあったが、決して鉄面皮なだけの悪辣な独裁者ではなかった。

 だが、妥協なき美しき理想に殉じるあまり、もっと現実的な普通の人々を恐怖に陥れる。誰でも叩けばほこりが出るし、多少は享楽的な時間も過ごしたい。

 求道者のような生き方は、多くの人間にとって窮屈なのだ。

 理想と現実のバランスって難しい。

 ともかく、読み応えあるシリーズであった。

 佐藤氏には、この後のナポレオンの時代も書いてほしいと思っていたら、今年の1月からRENZABUROという集英社のサイトで『小説ナポレオン』を連載しているという。

 単行本、そして文庫本の発刊までかなりの時間を要するだろうが、今から楽しみである。

〔評価〕★★★★☆


 次は、未定。
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2015年05月22日

虚空の糸 警視庁殺人分析班




・内容(「BOOK」データベースより)
マンションの非常階段で発見された、自殺を装った他殺死体。捜査一課の如月塔子が偽装の意味を思案するさなか、犯行声明と新たな殺害を仄めかすメールが警視庁へ届いた。翌日以降も、都民を毎日ひとりずつ殺していくという。警察への怒りを露にする犯人の、真の目的とは。殺人分析班の逆転の推理が冴える!


 警視庁殺人分析班(警視庁捜査一課十一係)シリーズの文庫第4弾。

 全都民を人質とした無差別殺人による警視庁脅迫事件の裏に隠された真相。

 そして、意外な犯人。

 ここまでで最もミステリ色が強く(あくまで私の個人的な印象)、猟奇色は弱い(他の作品も実際には猟奇殺人ではないが、殺人現場の印象はそう思わせる)。

 十一係の面々の個性とチームワークも相変わらずいい。決してスーパーヒロインではない主人公・如月塔子が徐々に成長して行くのも良い。

 ドラマ化希望!

〔評価〕★★★★☆


 次は『小説フランス革命18 革命の終焉』(佐藤賢一・著/集英社文庫)。
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2015年05月17日

ゼロの迎撃




・内容(「BOOK」データベースより)
活発化した梅雨前線の影響で大雨が続く東京を、謎のテロ組織が襲った。自衛隊統合情報部所属の情報官・真下は、テロ組織を率いる人物の居場所を突き止めるべく奔走する。敵の目的もわからず明確な他国の侵略とも断定できない状態では、自衛隊の治安出動はできない。政府が大混乱に陥る中で首相がついに決断を下す − 。敵が狙う東京都市機能の弱点とは!?日本を守るための死闘が始まった。


 買いたい!という文庫本が見当たらず・・・こういうときは『居眠り磐音 江戸双紙』シリーズを購入する自己ルールなのだが、何巻まで読了したか忘れてしまった・・・。

 次回、関西の自宅に戻ったときに確認することして、迷いに迷ったあげく、本作を購入。

 デビュー作『生存者ゼロ』は最低だったが、かなり進歩したと思う。

 文章もかなり改善されている。相変わらずおかしな箇所もあるし、妙にウェットかつ感情説明過多なところも多いが。

 プロットにはリアリティがあり、緊迫感も充分で、終盤まではグイグイ引き込まれた。

 しかし、饒舌なわりに、人物描写が浅く、ラストは拍子抜け。もっと迫力ある市街戦も見せて欲しかった。


〔評価〕★★★☆☆


 次は、『虚空の糸 警視庁殺人分析班』(麻見和史・著/講談社文庫)。
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2015年05月11日

あと少し、もう少し




・内容(「BOOK」データベースより)
陸上部の名物顧問が異動となり、代わりにやってきたのは頼りない美術教師。部長の桝井は、中学最後の駅伝大会に向けてメンバーを募り練習をはじめるが…。元いじめられっ子の設楽、不良の大田、頼みを断れないジロー、プライドの高い渡部、後輩の俊介。寄せ集めの6人は県大会出場を目指して、襷をつなぐ。あと少し、もう少し、みんなと走りたい。涙が止まらない、傑作青春小説。


 久々の瀬尾作品。

 中学駅伝大会の1区から6区を走るランナー達の回想で物語は進んでいく。

 周囲に与える印象と自分が考える自分のギャップ。他人からは見えない本当の自分。他人によって初めて気づかされる、本当の自分。

 上手いだんけど・・・。

 なんか全般的に浅い。

 どろどろしない、大げさにならないのが、瀬尾さんの良いところだが、今作についてはもっと葛藤あって良いと感じた。

〔評価〕★★★☆☆


 次は・・・未定。
posted by ふくちゃん at 18:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 青春小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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